2012-01-01から1年間の記事一覧

アンカーマンとコメンテーター

元グーグル米国本社副社長兼日本法人社長の村上憲郎(のりお)氏の『一生食べられる働き方』(PHP新書)によれば、アメリカのニュース番組では、「アンカーマン」と「コメンテーター」の職分が完全に分かれているとのことである。即ち、アンカーマンは、ニュ…

エネルギー問題はむずかしい

「東京(反原発)新聞」8/31夕刊で、鷲田清一大谷大学教授が、「社会がいまほんとうに直面している問題を探ろうというときに、度の合わなくなった眼鏡を取り換えることが必要なときに」は、「他者の、あるいはじぶん自身のなかの、違和の声に耳を傾けること…

シュークリームとキャベツ

(台東区観光大使の山口もえさん) 9/1(土)テレビ東京の「出没!アド街ック天国」で、文京区駒込を特集していた。駒込駅から、本駒込までのエリアを扱うとのことで、ひさしぶりにこの番組を通して視聴。少年時代もよく周辺をうろつき、またかつて本駒込に…

蜷川幸雄演出『トロイラスとクレシダ』観劇

8/29(水)は、彩の国さいたま芸術劇場大ホールのシェイクスピアシリーズ公演、蜷川幸雄演出『トロイラスとクレシダ(Troilus&Cressida)』を観劇した。シェイクスピアのこの作品は、未読で舞台を観るのも初めて。シェイクスピア当時のオールメールの上演形…

Time is Brain

プロ野球の名将落合博満さんが、8/16(木)和歌山県太地町で倒れ、隣町の総合病院まで緊急搬送されたとのこと。心配である。 http://news.livedoor.com/article/detail/6891342/(「NEWSポストセブン」) まさに「Time is Brain(発症すぐさま治療)」の脳卒…

ホンモノの戦中派はすごい

この23日に満95歳の誕生日を迎えたという、作家・詩人伊藤桂一氏が、本日の「東京(反原発)新聞」夕刊紙上に、「九十五歳の転居風景」と題してエッセイを載せている。最近のこの新聞の記事ではめずらしく、全文読むことになった。伊藤氏は、今度永く住んで…

マルハナバチは飛べるか

9月、ユーロ危機は天王山へ:日経ビジネスオンラインはてなブックマーク - 9月、ユーロ危機は天王山へ:日経ビジネスオンライン どうやら9月は、「ユーロ危機の天王山」であるらしいが、ECB(欧州中央銀行)のマリオ・ドラギ総裁は、「ユーロはマルハナバチ…

「BS日本・こころの歌」はいい

民放のBS放送は、期待はずれの現状であるが、毎週月曜日夜10:00(その後9:00)〜放送の、BS日テレ「BS日本・こころの歌」はいい。毎回視聴している。FORESTAというコーラスグループ(男声・女声・混声)が、「"美しい日本の言葉""美しい旋律"を次世代に歌い…

フェルメールの色彩

8/15(水)、東京銀座の「フェルメール・センター銀座」で開催中の『フェルメール光の王国展』を鑑賞。福岡伸一氏監修の下、フェルメール(Vermeer)作品全37点を、最新のリ・クリエイト技術によって、画家が描いた当時の色調とtextureをそのまま再現し、所…

植物はすごい

田中修甲南大学教授の『植物はすごい』(中公新書)は、植物について(素人にとっての)多くの新しい知見を与えられ、読み物としてもじつに面白い。植物がそれぞれ、生き延び子々孫々繁栄するために、多彩なメカニズムを内蔵させていることに驚き、感動させ…

「巻絹」鑑賞

8/7(火)夜は、東京台東区浅草公会堂にて、『第33回台東薪能・台東蝋燭能』を鑑賞した。かつて観音様境内で催されてきた薪能を、舞台を浅草公会堂に移して「蝋燭能」としたものであるとのこと。番組は、能「巻絹」、狂言「仏師」、休憩中の火入れ後、蝋燭…

ナベツネ「最後の著書」を読む

読売新聞グループ本社代表にして、読売新聞主筆の渡邉恒雄氏は、今年86歳、おそらく「最後の著書になろう」(?)と筆をとった書が、『反ポピュリズム論』(新潮新書)。面白かった。 「いたずらに一般大衆の要求や感情に迎合して人気取りに終始する政治のあ…

picturesqueな庭園—英国式庭園

今年もわが家のライラック(白)の木の葉が、芋虫(サザナミスズメの幼虫)に食い荒らされてしまった。アオジソの葉は、オンブバッタがいいように穴だらけにしている。近所を徘徊している野良猫たちは相変わらず庭に糞を置き土産にしている。この処理が日課…

イギリスびいき

「偏食哲学者」中島義道氏と、「美食哲学者」加賀野井秀一氏との往復書簡集『「うるさい日本」を哲学する』(講談社)は、街で野放しになっている騒音をめぐって、日本人および日本文化の深層に迫ろうと試みていて、大いに刺激を与えられる。二人は余計なお…

「湯島天神ふたり会(扇辰・三三)」鑑賞

昨日7/30(月)は、男坂上がってノウゼンカズラの花が迎えてくれる、東京湯島天満宮(天神)参集殿にて、入船亭扇辰(せんたつ)&柳家三三(さんざ)の「ふたり会」を鑑賞。S氏主宰落語研究会の7月定例会への参加で、12名の出席。 香盤は、1)前座:今秋…

現代小説

評論中心の文藝同人誌『群系』第29号(群系の会)が送られてきた。こちらも何となく会員(購読料支払い)となっている。さっそく目次を開けたところ、「われらの時代」特集と銘打って、現代作家の作品についての論考が並んでいる。ほとんど読んだことのない…

たかがミシュラン、たかが寺山修司

7/21(土)は、こちらの誕生(前日7/20)祝いということで、新進気鋭の弁護士Y氏が、ごっつあん企画の一環として席を設けてくれた。ミシュラン2012「二つ星 2 stars ☆☆」のフレンチレストラン「ty/タテル ヨシノ 芝 」が会場。パリ「ステラマリス」の国際的…

東京方言

開高健のエッセ・ロマネスク風連作小説『珠玉』(文春文庫)の第1話「掌(て)のなかの海」の冒頭すぐ後の文章に、 ……“フィッシュンチップス”はタラとかカレイとか、白身の魚なら何でもいい、それを乱雑に叩き切って粉にまぶして油で揚げたというだけのもの…

『ウルトラセブン』の舞台裏

先日7/5(木)午後7:00〜7:55、BSジャパンの「NIKKEI×BS LIVE 7PM」で、「ウルトラマンとセブン・青春と革命」という特集番組を放送した。ひさしぶりにアンヌ隊員=ひし美ゆり子さまに「拝顔」、楽しかった。 アンカー(メイン・キャスター)が、槍田(うつ…

怒りにおける〈共同幻想〉

将来的な方向性としての「脱原発」の選択は支持したいが、このところの「反原発」の〈盛り上がり〉には、警戒すべきであろう。たとえば過去の「薬害エイズ事件」のときの集団的怒りがもたらしたことは何であったのか、十分な洞察と反省が求められる。同じこ…

WOWOWドラマ『マグマ』視聴

WOWOWプライム放送の連続ドラマ『マグマ』を観た。いまのTVドラマのなかでは、水準高く見ごたえ十分、楽しめた。自然再生エネルギーの地熱エネルギー開発をめぐって、政治とビジネスの世界で、権力志向と営利優先がもたらす欲望が交錯し、魑魅魍魎が跋扈し、…

雨中の激戦ーグランパス勝利

昨日7/7(土)は、東京国立競技場にて、名古屋グランパスvs.柏レイソル戦を観戦。昨年の覇者と一昨年の覇者との対決。途中激しい降雨に襲われたが、みごたえのある好ゲームであった。柏レイソルのホームゲームで、ホーム側スタンドは、悪天候にもかかわらず…

ハロルド・ピンター(2)

7/3(火)は、新国立劇場・小劇場で、ハロルド・ピンター作、喜志哲雄翻案、深津篤史演出『温室(The Hot house)』を観劇。まだ耳の不調が治っていないので、右耳に脱脂綿の耳栓をしての観劇。中央舞台の変則的座席。幕間なしで暗転するときにやや大きい音…

ハロルド・ピンター(1)

明日7/3(火)東京新国立劇場・小劇場にて、喜志哲雄翻案、深津篤史演出、ハロルド・ピンター(Harold Pinter)作『温室(The Hothouse)』を観る予定なので、かつてHP掲載の『ホームカミング(THE HOMECOMING)』観劇記を再録しておきたい。 ◆4/22(木)夜…

北海道のクワガタ

津軽海峡渡る鋭い蝶を怖れ 西川徹郎『無灯艦隊』(沖積舍) 佐藤泰志の『海炭市叙景』(小学館文庫)の群像劇の舞台、「海炭市」はむろん虚構の都市であるが、彼の故郷北海道函館あるいはその周辺の町の地誌的記憶が基底にあることはたしかであろう。「黒い…

瓢箪ころころ(葫蘆葫蘆)

(わが所蔵の国産&アフリカ某共和国産の瓢箪) 第43回「毎日出版文化賞」受賞の『瓜と龍蛇』(福音館書店:1989年初版)で、編集委員の一人、大西廣氏(当時ニューヨーク大学教授)は、男が瓢箪で鮎(なまずの古語)を捕えようとするところを描いた、いわゆ…

8月はのう(脳)のう(能)と

昨日6/22は、近隣の津田沼中央総合病院に脳ドックの予約手続きに出かけた。耳の不調は予兆でないらしいにしても、なんらかの警告と個人判断して申し込んだ。この病院では数年前に、なでしこ澤選手と同じ良性発作性頭位目眩症の治療で4日入院、その折に脳MRI…

風の音・人の声

6/11(月)新国立劇場に通じる京王新線初台駅にたどり着くまでに、人身事故による総武快速線のストップで、東西線利用で遠回りを余儀なくされ、難儀をした。そのストレスのためだろう、翌日以降右耳が不調、軽度の突発性の難聴(重度難聴である突発性難聴と…

クサキリ出現

6/10(日)は、東京世田谷区北烏山の専光寺で催された施餓鬼の法会に参列した。専光寺は、浄土宗の寺院で、昭和初期に浅草北松山町より移転して今日に至っている。江戸の浮世絵師喜多川(北川)歌麿の墓があることで知られている。「二河白道(にがびゃくど…

唇はゆりの花:多部未華子の『サロメ』観劇

わたしの恋しい人は 赤銅色に輝き、ひときわ目立つ。 頭は金、純金で 髪はふさふさと、烏の羽のように黒い。 目は水のほとりの鳩 乳で身を洗い、形よく座っている。 頬は香り草の花床、かぐわしく茂っている。 唇はゆりの花、ミルラのしずくを滴らせる。 手…