アンカーマンとコメンテーター

 元グーグル米国本社副社長兼日本法人社長の村上憲郎(のりお)氏の『一生食べられる働き方』(PHP新書)によれば、アメリカのニュース番組では、「アンカーマン」と「コメンテーター」の職分が完全に分かれているとのことである。即ち、アンカーマンは、ニュースを読み、番組を進行する役で、求められるのは、コメンテーターに的確な質問ができるだけの見識(生半可な見識ではない)であるのに対し、コメンテーターは、意見を述べる役目を担い、正真正銘の専門家や当事者でなければならない。「経済ニュースであれば、ノーベル賞クラスの経済学者でなければコメンテーターの資格はないのです」。
……つまり、アメリカのニュース番組は、超一流の専門家が、これまた超一流のジャーナリストであるアンカーマンの質問に答えて意見を述べる、という形で進行していくのです。
 これと比較すると、日本のニュース番組のどこがまずいかわかるでしょう。……(同書p.163)

一生食べられる働き方 (PHP新書)

一生食べられる働き方 (PHP新書)