「湯島天神ふたり会(扇辰・三三)」鑑賞


 昨日7/30(月)は、男坂上がってノウゼンカズラの花が迎えてくれる、東京湯島天満宮(天神)参集殿にて、入船亭扇辰(せんたつ)&柳家三三(さんざ)の「ふたり会」を鑑賞。S氏主宰落語研究会の7月定例会への参加で、12名の出席。
 香盤は、1)前座:今秋二つ目昇進予定の入船亭小辰「代脈」、2)入船亭扇辰「茄子娘」、3)柳家三三「小間物屋政談」、(中入り後)4)柳家三三「しの字嫌い」、5)入船亭扇辰「三井の大黒」。
 はじめの主催者側の挨拶の声がほとんど聞こえず、席もやや後ろ、こちらは「南朝四百八十寺」否もともとやや難聴気味のこともあり、展開を心配したが、杞憂となった。
 入船亭扇辰の「茄子娘」は、十八番らしく淡々としながらいいリズムの運び、満喫。茄子の精と和尚との間にできた子と遭遇し、母はすでにいないと聞いて和尚が「親はなすとも子は育つ」と地口のオチ、当然ここだけが際立つことなく、聞き入った。柳家三三の「小間物屋政談」も、ハラハラさせて面白かった。「しの字嫌い」は、立川志らく師匠によれば、「とにもかくにもこの落語。これだけの事なので、テクニックもさることながら、演者のフラ(個性からくる独特の可笑しみ)が大切になってくる」(『全身落語家読本』新潮選書)とのこと、楽しめた。入船亭扇辰の「三井の大黒」は、左甚五郎ものの噺、名人としてのおのれの正体を隠す展開が共通していて、今回は、もういい加減にせえ、という感じで聴いていた。これは演者とは関係ないことである。
 http://ginjo.fc2web.com/165daimyaku/daimyaku.htm(「代脈」)
 http://www.radio-cafe.co.jp/trial/2009/04/nasumusume.html(「茄子娘/入船亭扇辰」)
 http://ginjo.fc2web.com/140komamonoya_seidan/komamonoya_seidan.htm(「小間物屋政談」)
 http://www.syu-ta.com/youtube/rakugo/30sa/youtube-rakugo-sinojigirai.shtml(「三遊亭圓生・ しの字嫌い」)
 http://ginjo.fc2web.com/129mituinodaikoku/mituino_daikoku.htm(「三井の大黒」)

 終演後男坂降りて近くの「そば処こんごう庵」で、夜食および呑み会、参加は11名。元メガバンク支店長のI氏(写真右)は、趣味の域をはるかに超えたそば打ちのひと、この店の職人ともかつてともにそば打ち修行したことがあるという。新潟県の布海苔(ふのり)でつなぐへぎそば(写真)ほか、各地のそばのこといろいろ教示いただいた。I氏の隣の席には、元フレンチのオーナーシェフK氏(写真左)が坐り、料理・食材に関して講釈を受け、有意義であった。なおI氏は、埼玉県さいたま市見沼区和田町の「和楽」という店で、そばを打つ日があるとのことである。ぜひ行ってみたい。
 大江戸線を利用、ギリギリ12時までには帰宅。ともあれ友垣の存在はありがたいことである。
⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家のフクシア(Fuchsia)の花。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆