2010-01-01から1年間の記事一覧

忘年会特別参加

昨日12/29(水)は、千葉県市川市JR本八幡駅近くの、手打ち蕎麦・うどんの店「一茶庵」にて忘年会(参加8名)。葉山修平氏を中心として、実力のある作家・評論家・画家が集った『風の道』同人会の飲み会で、客人(会費は払う)として招待されたもの。『芭蕉…

『美しきものの伝説』

一昨日12/22(水)は、彩の国さいたま芸術劇場(地下1F)インサイド・シアターにて、宮本研作、蜷川幸雄演出の『美しきものの伝説』マチネー公演を観劇。昔観た文学座の公演(1968年)以来の同作品の舞台である。この作者の田中正造を主人公とした『明治の…

「趣味の園芸」(2)シナモン

12/16(木)〜本日、庭木職人さんがたにわが庭の樹の剪定をしていただいた。思いきりよく伐られて、美容室にでも行った感じとなった。金曜日夜9時〜NHK教育テレビの「趣味の園芸」を観た。つるバラの剪定について取り上げていた。わが家の庭には、かつてはつ…

イギリス資本主義がわかる

川北稔大阪大学名誉教授の『イギリス近代史講義』(講談社新書)は、いわゆる産業革命の、歴史的前提・経過・成果などについての従来の常識を覆し、現代にまで連なるところのイギリス資本主義の本質的特徴をわかりやすく説いている。中核ー周辺の機能的連関…

率直な現代演劇論

小谷野敦氏の『能は死ぬほど退屈だ』(論創社)は、何編かは個人的にウエブ&ブログですでに読んだことのあるものを含む、演劇・文学論集である。全部に眼を通したわけではないが、関心のある標題のものは一通り読んだ。面白く、文学と演劇を学術的に考究して…

柳家小三治独演会鑑賞—落語な一日

昨晩12/2(木)は、東京銀座ブロッサム中央会館ホールにて、柳家小三治独演会を聴いた.高校時代から大会社社長を経て退職、永きにわたっていまなお落語を聴きつづけている、S氏を中心とした落語鑑賞会に誘っていただいての今回のチケット入手.嬉しい限り。…

「内部告発者」か「密告者」か

WikiLeaksやら中国漁船襲撃映像流出やら、内部告発もしくは密告をめぐって論議が盛んである.あるひとつの行為を、勇気ある内部告発として称揚するか、裏切りの密告として糾弾するのかの判断基準はなにか、法的問題としても、倫理的問題としてもむずかしい問…

物語における「雨」

11/26(木)東京池袋東京芸術劇場小ホール、tpt公演の、アンドリュー・ボヴェル作・鈴木裕美演出『この雨 ふりやむとき』を観劇した.めずらしくオーストラリアの劇作家の作品である.演出家の鈴木裕美さんによれば、「オーストラリアの作家は、地球環境の問…

ひらがな日本語と「英語公用語」

11/19(金)は、東京両国シアターXにて、多和田葉子作、ルティ・カネル演出の『さくら の その にっぽん』を観劇.チェーホフの『桜の園』を基に、現代日本を舞台にし、パリ帰りの一家が「桜山」を売却して、再びパリに帰るまでの話を構成している.この作品…

ご冥福を祈ります

先日このブログで紹介した『パンとペン』(講談社)の著者黒岩比佐子さんが亡くなられたそうだ.すでに昨年11月から闘病生活を送っていたとのこと、不覚にも知らなかった.謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20101026/1288…

農政トライアングル

元農林省「キャリア官僚」山下一仁氏の『「亡国農政」の終焉』(ベスト新書)を読むと、日本の農業が直面する問題の所在と、解決を困難にさせてきた、歴史的ともいうべき障壁の実態がイメージできる。 すでに明治時代に当時の農業保護関税に関し「保護主義で…

神戸のインドカレー

(「チキンカレー&ウコンライス」) (「愛知万博」のとき「インド館」で買い求めた、木彫りのフクロウとコースター) 都立上野高校軽音楽部出身のミュージシャン、AKINO LEEさんは、いっぽうでカレーの探求家でもあるらしく、連日のようにmixi日記に東京ほ…

危険との付き合い

午前中近くの眼科医院にて定期眼底検査を受診.白内障が進行中であるが、幸い網膜など眼底の異状はないとの診断であった。しかし散瞳のための点眼で、夕方まで視界がぼやけ読書・PCは無理であった.強度の近視故眼のリスク回避のためには、しかたなし。 本日…

趣味の園芸

(Baccaratの食器とともに) この夏の猛暑でどうかと心配していたが、わが庭の柿の実りは例年通りである。味も自然の甘さで、食感も悪くない.秋のささやかな収穫を寿ぎたい. 秋の花といえば、菊であろう.昨日は、江東区亀戸天神社に参詣.ちょうど菊祭を…

倫理トレーニング

マイケル・サンデル(Michael J.Sandel)教授の『これから「正義」の話をしよう』(春秋社)が、NHK放送の効果もあってだろう、電子媒体経由を含めてだいぶ読まれているようである.春秋社サイトからダウンロードした同書第1章さえ完読していないが、知的姿…

インドで「いきものがかり」

「東京新聞」10/23・10/30の連続記事『生きる』で、奈良康明駒澤大学名誉教授が、「ことばの文化論」と題して面白いエッセイを載せている.氏がインド宗教文化史の研究のためインドに長期滞在していたとき、悪性のインフルエンザにかかった。親友の家で一週…

「雲」(龍書房)10月号

高校同窓の慈恵医大赤羽清彬医師(赤羽クリニック)の勧めで、インフルエンザ予防接種(三価)を受けた.100%予防できるわけではないそうだが、リスクを減らすことはたいせつ.11月には、定期(年2回)眼底検査および定期(年1回)歯科検査もあり、めんど…

「売文社」創設百周年

先駆的社会主義思想家の堺利彦が、文筆代理および外国語翻訳業の会社「売文社」を創業(1910年=明治43年12月)してから今年で百年になる.「大逆事件」百周年の年でもあるが.明治政府にる社会主義者・無政府主義者大弾圧のこの事件のあと、運動家にとって…

司法改革の方向

新司法試験合格者数について、久保利英明弁護士(日比谷パーク法律事務所代表パートナー)の見解(10/22記事)になるほどと考えさせられたが、今度は、司法修習生への給費制から貸与制への移行をめぐって論議がされている.自民党の方針決定により、どうやら…

高校同窓会

(挨拶する久保利英明氏) (大岡俊明氏と) (元荒川区長藤沢志光氏と) (「吉兆」のうどん) (丸山公明明治大学教授) (岡田夫妻) 昨日10/21(木)は、東京帝国ホテル「牡丹の間」にて、高校の同窓会が催され、出席.真矢みきさんのCMでなじみの某会社…

小説作品中の植物名

1930年生まれの作家千田佳代の『猫ヲ祭ル』(作品社)は、第6回小島信夫文学賞を受賞。傘寿を迎えての受賞は、快挙であり、同じ道をたどるはるかな後輩として励みになることである.千田さんには、昔どこかで、たぶん雀荘でお会いし、お手合わせいただいて…

「bio-diversity」論議

「bio-diversity」論議が喧しい昨今.昨年4月にわがHPで紹介した次の書は、考えるヒントになるだろう.再録しておきたい.◆農学博士でカメムシ採集人の高橋敬一氏の『「自然との共生」というウソ』(詳伝社新書)は、いわゆる「自然との共生」の主張および…

佐久間牧場のソフトクリーム

10/16(土)は、わが千葉県船橋市にある佐久間牧場に出かけた.新京成線滝不動駅から徒歩数分のところに立地し、あっという間に着いてしまった.ソフトクリームとジェラートの販売所を設けていて、この味がすこぶる評判なのである.船橋市海神の「菓子工房・…

「ものづくり」との決別

雑誌『The Lawyers(ザ・ローヤーズ August 2010)』(アイ・エル・エス出版)で、国際弁理士山本秀策氏が、日本の特許(知財)戦略の不備について論じている.日本の台頭で劣勢になった米国が、1979年「知的財産権の保護強化」の大方針を立て、以降日本は、…

ネーションにおける不平等性

勝利の歓びをもって、あるいは敵対心・憎悪を伴いつつ、ネーションという共同性のもたらす、いっときの情念の昂揚を体験するこのごろ。大澤真幸著『ナショナリズムの由来』(講談社)を読み進めると、次の考察あり、立ち止まって考えさせられた.『ナショナ…

銀座と浅草

この数日の間に、いま新しい顔を伴って注目されている東京の街、銀座と浅草を散策した.活気というより熱気が溢れていて、楽しい時間を過ごせた.下町界隈の路地裏にも味わい深い「東京」がある。鈴木博之氏が指示する「ゲニウス・ロキ(地霊の力)」の存在…

学問の現状

「東京新聞」10/8夕刊紙上に、ノーベル化学賞受賞に浮かれてばかりもいられない、日本の自然科学研究の状況を記述した記事が載った.1)自然科学分野の08年度研究費比較では、日本の17兆円は米国46兆円に及ばず、中国が毎年1〜3兆円ほど増加させ12兆円に…

『ナショナリズムの由来』を読む

「京成杯AH」の万馬券的中などで、「スプリンターズS」不的中も大した財政的損傷とはならず、津田沼丸善にて、欲しかった大澤真幸京都大学教授の大著『ナショナリズムの由来』(講談社・税込み5000円)を購入.ぼちぼち読みはじめる.撫で回し傍線を引いたり…

「ワンカップ大関」

人恋しい季節とはなったが、日本酒が飲まれなくなっているそうだ.たしかに乏しい体験で判断しても、居酒屋の集まりで焼酎を頼む場合が多いようである.老舗の酒造が倒産したとのこと。それほどの酒好きでなくとも寂しい思いがする.寿司にはやはり、冷やの…

世襲カリスマ

北朝鮮の労働者党代表者会で、三男金正恩(キム・ジョンウン)氏が、次期総書記の位につく路線が明確になったとの報道である.世襲カリスマの三代目であるから、「売り家と唐様で書く三代目」とからかいたくなるところだが、そんな長閑な(?)話ではあるま…