2012-01-01から1年間の記事一覧

代表制民主主義の問題と一票の格差

……佐伯啓思×大澤真幸対談集『テロの社会学』(新書館)の第1章「預言者と大統領」で、現代民主主義下の代表制に関して面白い考察がある。 大澤氏の発言:近代以前にも代議制はありました。それは各身分を代表する議員によって構成された身分制議会です。これ…

迎春:癸巳元旦

http://kisetu.chu.jp/(「季節の窓」) Joushi.pdf (「迎春」)⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家の 千両。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆

ルパージュの魔術・美人女優の裸

昨日12/28(金)は、東京池袋の東京芸術劇場シアターイーストにて、ロベール・ルパージュ作、吹越満演出の『ポリグラフ嘘発見器』を観劇した。三人芝居を三本上演するという、東京芸術劇場の企画の第1弾の舞台である。出演の三人は、吹越満(ディヴィッド・…

美輪(丸山)明宏の舞台回想

今年のNHKの「紅白歌合戦」で、初出場の大御所美輪明宏が「ヨイトマケの唄」を歌うそうである。愉しみである。じつは美輪(丸山)明宏の歌は、過去からライブでは聴いていない。演劇の役者として応援してきたといえるだろう。といってもその舞台を観たのは、…

ラヴィ・シャンカールの思い出

12/11(火)米国カリフォルニア州の病院で、インドの弦楽器シタール奏者のラヴィ・シャンカールが亡くなったそうだ。享年92歳とのこと。昔東京厚生年金会館でシャンカールの生演奏を聴いたことがある。驚いたのは、お香を焚いて演奏をしたことで、客席まで香…

今年の師走も鈴木忠志の舞台観劇

昨日12/24(月・祝日)は、昨年の師走と同じ東京吉祥寺の吉祥寺シアターにて、鈴木忠志演出の『シンデレラからサド侯爵夫人へ』を観劇した。「大人のための児童劇」の副題がついているが、グリムの「シンデレラ」と、三島由紀夫の「サド侯爵夫人」の二つの劇…

「柳家小三治独演会」を聴く

昨日12/21(金)は、東京銀座ブロッサム(中央会館)にて、柳家小三治独演会を聴いた。S氏主宰の落語研究会への参加。参加者は、12名。番組は、前座:柳家ろべえ「たけのこ(筍)」、柳家小三治「千早振る」(休憩)、小三治「茶の湯」。 柳家ろべえは、柳家…

司法修習生の就職難

朝のNHKニュースによれば、「日弁連=日本弁護士連合会の推計によりますと、今月、司法研修所を卒業した2080人のうち、裁判官や検察官になる人を除いておよそ540人がこれまでに弁護士会に登録しなかったことが分かりました。これは全体のおよそ26%=4人に…

九州博多を歩く

私用があって、12/15(土)〜12/18(火)九州福岡市に旅に出ていて、博多の街を歩いてきた。もっとも那珂川を越えて、福岡城址(城趾)まで足を延ばしたので、福岡の街を歩いたともいえる。福岡と博多との行政上の区画(博多は福岡市博多区)とは別のエリア…

蜷川幸雄演出『トロイアの女たち』観劇

昨日12/13(木)は、池袋の東京芸術劇場プレイハウスにて、蜷川幸雄演出のギリシア(ギリシャ)悲劇、エウリピデス作『トロイアの女たち』を観劇した。東京芸術劇場とイスラエルのテルアビブ市立カメリ・シアターとの共同制作で、日本、ユダヤ、アラブの俳優…

過去の選挙の分析

2010年1/21に、わがHPに記載・紹介した記事は、観劇記に続けて過去の選挙についての専門家による統計学的な分析で、「昔の名前で出ています」の自民党圧勝が予想されている今回の衆議院議員選挙を展望するうえで大いに参考となる。学べる教訓として、議論に…

「講談とシャンソン」のコラボを聴く

昨日12/8(土)の午後は、東京銀座みゆき館劇場にて、一龍斎貞水(人間国宝)の弟子、一龍斎貞友の講談&講談とシャンソンとのコラボを聴いた。貞友は、平成16年真打ち昇進の女性講談師で、テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」「クレヨンしんちゃん」などの声…

十七代目中村勘三郎は、観ている 

十八代目中村勘三郎丈が逝去とのこと、ご冥福を祈りたい。 じつは十八代目の舞台は観ていない。中村勘三郎といったら、個人的には十七代目のことである。もっとも生の舞台を観たのは2回ほどで、通ぶったことなど何も語れない。ただイメージとしてはそういう…

元カレとしての自民党

「衆院選:自民単独過半数の勢い、民主は激減 序盤情勢調査」(毎日新聞 2012年12月06日 05時00分) http://mainichi.jp/select/news/20121206k0000m010114000c.html(「毎日jp」) 「Twitter」の面白い書き込み発見。選挙民も懲りないものである。う、うまい…

毛ガニと赤ワイン

通販ワインショップの京橋ワインで、赤ワイン6本セットを購入。いいタイミングで、北海道から毛ガニの贈り物が届いた。何日か前に、これを肴にシチリアワインの「カルーソ&ミニーニ・テッレ・ディ・ジュマーラ・ネロ・ダーヴォラ(写真左から2番目)」を…

ボス支配とヨーロッパ崇拝

リンク: 勝てない天才、武豊「屈辱の生き地獄」 - 速報:@niftyニュース. 武豊騎手ひさびさのGⅠ優勝おめでとう。芸能とスポーツと地方教育の世界は、ボス(的人物)が牛耳っているのであろう。 ⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家の小菊。小川匡夫氏…

東京駅のスイーツ

東京に用事あり、出たついでに新装東京駅を見物してきた。もともと相撲好きの名建築家により横綱の土俵入りを模して設計されたかもしれないとのこと、正面からの形状を見て納得。「TOKYO STATION CITY」の「GRANSTA(グランスタ)」をぶらつき、11/16〜12/2…

劇団「重力/Note」の『雲。家。』(イェリネク作)観劇

先週祝日の11/23(金)は、劇団「重力/Note」のマチネー公演、イェリネク作、鹿島将介(のぶすけ)構成・演出『雲。家。』を観劇した。鹿島さん演出の舞台であるからいつものように、感動的であるよりも衝撃的、面白くはないが退屈はしない、公演であった。…

サンフレッチェ広島の優勝を寿ぐ

広島悲願初優勝!寿人雨中の男泣き/J1 - J1ニュース : nikkansports.comはてなブックマーク - 広島悲願初優勝!寿人雨中の男泣き/J1 - J1ニュース : nikkansports.com サンフレッチェ広島のJリーグ優勝は慶ばしいことである。「天皇杯」では、わが…

大学の〈晩秋〉

大学は斜陽産業。これはボーダレス。世界共通。アメリカにも糞みたいな授業してる教授が一杯いた。授業よりネット上の論文とか専門家のコラム/ブログからの方が多く学べた。Harvard,Yale,Penn,とかの出身の教授の授業受けたけど、総じて糞だったな。知識が…

晩秋の築地を歩く

冽冽というほどではないが、それなりに厳しい風が頬を打ち雨降りの一昨日11/17(土)、ひさしぶりに東京築地を散策した。地下鉄東銀座駅を降りたところで、読売新聞社を探している高齢の男性と遭遇、案内板を見ながら一緒に調べるがわからない。「新橋演舞場…

「地域ボケ」?

校正中の鼎談に少し書くつもりだけど、ある時期から「悪は常に国家から来るもので、地域は悪くない」的な変な共通感覚が、左翼や市民派と言われる側にも広まった気がする。だから「第三極」とかが「僕たち反中央集権です」とかいうとほいほい釣られるんだけ…

痴漢行為について

NHK森本アナを逮捕 電車内で痴漢の疑い :日本経済新聞はてなブックマーク - NHK森本アナを逮捕 電車内で痴漢の疑い :日本経済新聞 「まず、現行犯逮捕や逮捕後本人が犯罪行為を任意に認めているようなケースでは犯罪があったとして、懲戒処分手続を…

「若林圭子・博品館リサイタル」鑑賞

昨日11/14(火)の夜は東京銀座博品館劇場にて、「若林圭子・博品館リサイタルVol.10」を聴いた。11月のわが年中行事となっている。昨年の「Vol.9」では、若林さん、喉の不調で声がほとんど出なかった。今年のリサイタルのタイトルは「Quelle Voix(どんな声…

『ぺんけん寄席』を楽しむ

昨日11/11(日)は、雨模様のなか、東京日暮里の開成学園・中学校小講堂で催された、第29回『ぺんけん寄席』を鑑賞した。亡くなった卒業生の先代柳亭芝楽が創設した寄席で、今回十一代目芝楽が参加しての企画。出不精でここへ出席したことはなかったが、司会…

大河ドラマ『平清盛』雑感

http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20111124/1322097926(「〈江戸時代〉からの脱却」) 昨年11/24付のブログにまとめておいたように、與那覇潤愛知県立大学准教授の『中国化する日本日中「文明の衝突」一千年史』(文藝春秋)によれば、平清盛ほかこれまでの…

中国の二人の異端作家は?

今年度ノーベル賞受賞の中国の作家莫言(モオ・イエン)の作品は、恥ずかしながら一作も読んでいない。(いまは、ノーベル文学賞受賞劇作家のエルフリーデ・イェリネクの戯曲を読んでいるところ。)この作家が反体制の表現者であるのかどうなのかなど、わか…

アンヌとダンの再会

[匿名探偵]“モロボシ・ダン”森次晃嗣が“アンヌ”ひし美ゆり子と感動の再会 ウルトラセブンの名シーンも | エンタメ | マイナビニュースはてなブックマーク - [匿名探偵]“モロボシ・ダン”森次晃嗣が“アンヌ”ひし美ゆり子と感動の再会 ウルトラセブンの名シ…

マネキンの妖しさと哀しさ

テレビ東京の「カンブリア宮殿」という番組は、アンカーの村上龍氏が女優の小池栄子さんとともに、時代の寵児ともいえる経済人を迎えてのトーク・ショーだそうで、先週の10/25(木)は、マネキン業界で、圧倒的な販売シェアを占める吉忠マネキンの吉田忠嗣社…

トランペットの音

何か物語性をもった哀切な音というのが、トランペットという楽器の音色のわが印象である。むろん思い込みでしかあるまい。トランペットの演奏は、ジャズでは日野皓正(てるまさ)のを昔LPでよく聴いたものである。日野皓正の生演奏の音については、何かの機…