風の音・人の声

 6/11(月)新国立劇場に通じる京王新線初台駅にたどり着くまでに、人身事故による総武快速線のストップで、東西線利用で遠回りを余儀なくされ、難儀をした。そのストレスのためだろう、翌日以降右耳が不調、軽度の突発性の難聴(重度難聴である突発性難聴とは違う)とポコポコ音の耳鳴りに悩まされる。ポコポコ音の耳鳴りは、筋肉の痙攣によるらしい。
  http://www31.ocn.ne.jp/~solhns/framehajimeni1.htm(「耳鳴りを起こす病気」名古屋の耳鼻咽喉科医)
 難聴のほうは恢復してきた。食事のときの耳鳴りは相変わらず。このところ、ビタミンB12含有のアリナミンEXプラスを3錠飲みつつ、聴覚カウンセラーで医学博士の篠原佳年氏監修の音感訓練CDを聴いている。昨日6/18(月)は、たまさかの五月晴れ、庭園散策に出かけることにした。目的地は、東京江東区清澄庭園。近くの東京都現代美術館は訪れているが、庭園ははじめて。
 日本橋高島屋で用を済ませてから、東西線門前仲町へ。深川不動に参拝し、病気快癒を祈願。永代通りの「天丼てんや」に入り、穴子丼(780円)を食べた。美味しい。清澄通りを歩いて、清澄庭園に到着。入園したとたんに突発性の便意を催し、即トイレに駆け込んだ。清潔感あるトイレでよかった。


 池をめぐると、至る所で鯉と亀たちがエサを寄越せとばかりに寄ってきた。大きな口を開けたままの鯉もいた。池の小島にカワウとアオサギ発見。しばらく眺めているとなんとアオサギがこちらに飛んできた。まもなく一人の男性現われ、木陰に隠れるようにしながら慣れた所作でエサを与えていた。そうかこのひとは趣味でエサを与えに入園しているのだ。納得した。
 花菖蒲田の花菖蒲もいまが盛りの美しさと爽やかさ、花々が風にそよいで感動的であった。
 帰り、半蔵門線清澄白河駅がなかなか見つからない。大きくわかりやすい標識を設置してほしいものだ。ほかにもうろうろしている人たちがいた。昔パリのロダン美術館に行った折、はじめての訪問だったのにまったく迷うことはなかった記憶がある。
 JR錦糸町駅構内にあるカフェ「モーツァルト」で、アイスコーヒーをケーキセットのショートケーキとともにいただいたら、歩数計1万歩超えを示した散策の疲れも吹っ飛んだ。ちなみに音感訓練CDにモーツァルトの曲が2曲選ばれている。

 庭園の山にあたる場所で休んでいたところ、風の音に感応しすぎてか、帰路また右耳が少し難聴気味。これは本日治まった。右耳に当てて指をこすると、ほぼ左耳の8〜9割近くは聞こえる。
 さすがに「声の文化」の優位を説く時代の思潮は衰退したようであるが、「声は、言語という巨大な抑圧の体系が身体の深奥に押し込めているものを、ほとんど沈黙に等しい歌声として発話させる媒体である(石光泰夫:『事典・哲学の木』講談社)」とすれば、声に耳傾ける上での繊細さは文学が求めるものであろう。その前に、右耳のポコポコ音消えてほしい。
 終了してしまった『コールドケース』(WOWOW放送)で、リリー・ラッシュ刑事(キャスリン・モリス:声=田中敦子)の妹の声、そして『コバート・アフェア:CIA諜報員アニー』(BS-TBS放送)で、上司ジョージ・キャンベル(声=田中敦子)の下で諜報員として働くアニー・ウォーカーの声を担当している、美人声優樋口あかりさんのHPの「Voice Sample」は大いに参考になる。
 http://akarihiguchi.com/voice.html(「樋口あかりHP」)

声―記号にとり残されたもの

声―記号にとり残されたもの

⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家に咲いたアジサイ(紫陽花)の花。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆