NTLive:サム・メンデス演出『リーマン・トリロジー』鑑賞

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 昨日2/16(日)は、TOHOシネマズ日本橋にて、NTLive、サム・メンデス(Sam Mendes)演出の『リーマン・トリロジー(THE LEHMAN TRILOGY)』を観た。2019年7/25ロンドンのピカデリー劇場公演をそのまま映像化したものである。客席の模様も映し、ライブ感たっぷりで進行する。むろん休憩も同じ時間とるわけである。

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  作=ステファノ・マッシーニ、翻案=ベン・パワー、音楽監督・ピアノ演奏=キャンディダ・コルディコット。出演は、サイモン・ラッセル・ビール、ベン・マイルズ、アダム・ゴドリー、の3人のみ。
 この3人が、2008年に(負債総額64兆円で)倒産したリーマン・ブラザーズ・ホールディングスの礎石を1850年に作った、ヘンリー・リーマン、エマニュエル・リーマン、マイヤー・リーマンを演じながら登場し、それぞれの場面を演じかつ過去の事実・事件を語って行く。まるで、柳家小三治立川志らく春風亭一之輔噺家3人が物語を語りつつまた、それぞれの場面での登場人物を演じているようなものであった。ことばのリフレインが多く、ピアノの生演奏にも導かれつつ詩的な世界を造形していて、3世代の人生の多様な面白さと、それらを巻き込んで濁流のように流し去っていく、大いなる時間の偉大な残酷さに感動させられた。字幕の日本語翻訳は柏木しょうこ、簡潔でよいことば、心地よかった。

  ドイツの街からアメリカに自由と夢を求めて、貧しいユダヤ人3兄弟が時間をずらしてやってくる。:出エジプト
 エマニュエル・リーマンの息子フィリップ・リーマンは、少年時代からビジネスの天才で、すべての企画を成功させた。:ダビデ王の登場。
 投資業務を目的としたリーマン・コーポレーション設立。フィリップ・リーマンもその息子ボビー・リーマンも、マイヤーの息子ハーバート・リーマン(ニューヨーク市副知事)も死亡、1984年にアメリカン・エクスプレスに買収される。その分社としてリーマン・ブラザーズ・ホールディングスニューヨーク証券取引所に再上場。しかし2008年、前年のサブプライム住宅ローン危機に巻き込まれ倒産。:ソロモンの栄華。

   TOHOシネマズ日本橋は、コレド室町2の3Fにあるが、このコレド室町新日本橋駅下車で、JR津田沼駅から近いところにあるのだ。帰路コレド室町テラス地下にあるHakone Bakeryでクロワッサンを2個購入したが、そのうちの1個、今朝食べても食感変わらず、これはいいクロワッサンだ。

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森新太郎演出『メアリ・スチュアート』観劇

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)第一幕:イングランドの北辺、スコットランドとの国境に近いフォザリンゲイ城の一室。▼暗い空間での、囚われの身のメアリ・スチュアート長谷川京子)と乳母ハンナ(鷲尾真知子)との会話。意図的にくぐもった声で奥からメアリが登場するが、難聴ぎみのこちらにはほとんど聴き分けられない。不当な仕打ちに対する憤りと悲嘆のやりとりであることは、雰囲気から察することができる。エリザベス女王の側近の高官たちが訪問し、これから始まる惨劇の予兆を暗示する展開。
  第二幕:ウェストミンスターの宮殿。▼エリザベス女王シルビア・グラブ)と側近高官たちとの会話。メアリと狩の場で偶然出会うという設定で会ってみるという、レスター伯ロバート・ダドリー(吉田栄作)の提案を女王が承諾する。そして、女王とレスター伯は激しく抱擁。女王はレスター伯を押し倒して馬乗りになる。権力関係が恋愛関係に反映しているともいえるし、恋愛関係そのものが権力関係であることを暗示してもいる。鈴木忠志演出の『トロイアの女』の舞台ではリアルな強姦の場面があり、とくに今さら衝撃的な演出でもないが、男と女のパフォーマンス的位置が逆であるところが新鮮なところか。肉体をもったひとりの女であれば、女王もメアリの美貌に嫉妬するだろうことが予想されるのである。
)第三幕:猟園の近く。▼エリザベス女王とメアリがついに邂逅。叛逆の意志などなく、矜持を抑えて許しを乞うメアリに対して、エリザベスはその顎に手を置いて嘲笑した。メアリは耐えられず反撃、そもそも自分にもイングランド王位の継承権があるのだと主張し、エリザベスは怒り立ち去ってしまう。メアリの〈ストーカー〉のような若きテロリスト、エドワード・モーティマーは仲間と共謀してエリザベスを襲うが失敗してしまう。メアリもこの計画に加担するとの、偽のメアリの手紙をレスター伯に渡していたのだ。
  第四幕:ウェストミンスターの宮殿。控えの間。▼暗殺者モーティマーは警備隊に取り押さえられ短剣で自害。しかしメアリの事件への加担の罪は消えず、城の外に迫った民衆はメアリ処刑を訴えるのだった。エリザベス女王は逡巡の末、死刑執行書に署名して執行官(青山伊津美)に手渡す。執行官はどうしたものか苦悩してしまう。それを大蔵卿バーリー(山崎一)が奪って、メアリの処刑が決定づけられる。ハンナ・アーレントが追求した「アイヒマン問題」がここにもあったわけだ。女王は重大な責任・判断を臣下に放り投げてしまった。
)第五幕:フォザリンゲイ城の一室。処刑を前にして、カトリック教徒のメアリは告解をしたいが、司祭が不在では叶わぬと嘆く。と訪れたかつての執事メルヴィル(青山達三)が、フランスで司祭の資格をとっているとのこと、メアリは自分は女王暗殺の陰謀に加わっていないが、女王を許すなどと告解し、必要な手紙を託して、断頭台に赴くのであった。断頭台までハンナが一緒に付いてくることを許可してもらった。ここのところ、あやうく涙が出そうになった。
  第六幕:ウェストミンスター。宮殿の一室。▼メアリの陰謀への加担の証拠とされた手紙がモーティマーの書き換えとわかり、エリザベスは執行官をロンドン塔送り、処刑を実行したバーリーを城外追放とした。最後まで正義を貫いたシュローズベリー伯タルボット(藤木孝)に永く側にいてほしいと女王は頼むが、タルボットは老齢を理由に断る。ひとり残ったエリザベス女王は、舞台の端でみずからの孤独とそれには負けない王としての矜持を示して立つのであった。シルビア・グラブに拍手。

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貫地谷しほりと上野樹里:『テセウスの船』

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 矢口史靖脚本・監督の傑作『スウィングガールズ』以来ひさしぶりに貫地谷しほり(田村鈴役)と特別出演の上野樹里(田村由紀役)が、TBSの日曜劇場『テセウスの船』で共演している。今のところ二人が同一空間で交錯する場面はないが、期待感がありワクワクする。

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折口信夫「死者の書」による舞台『當麻』

 「死者の書」を舞台化した、渡辺守章脚色・構成・演出の『當麻』を、1988年4月、PARCO SPACE PART3にて観ている。渡辺守章氏の「演出ノート」によれば、『世阿弥の女体・軍体・老体の「三体」と言う演技の基本的身体の考えを借りて、それに「児婆幽玄」の匂いを添え、女、少年、老人の三人が、「死者の書」の地の文をも非人称的に語るのが前提である』。
【登場人物】
女ー姉・大来皇女の霊、藤原南家の郎女すなわち中條姫
少年ー弟・大津皇子の御霊、山越しの尊者・能『當麻』後ジテ歌舞菩薩
老人ー魂ごひの老人、當麻語部嫗(たいまのかたりべのおむな)、能『當麻』前ジテの化尼

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ノムさんの野球解説はゲームより面白かった

 

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 ノムさんの野球解説はゲームより面白かった。ご冥福を祈りたい。

 

 

横浜ボートシアターの『小栗判官・照手姫』は観ている

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 遠藤啄郎さん制作の仮面は別などこかでも楽しんでいるが、主宰する劇団横浜ボートシアターの代表作公演、遠藤啄郎さん演出の仮面劇『小栗判官・照手姫』を、遊行寺ではなく、江東区佐賀町エキジビット・スペースにて1986年10/1に観ている。シアター・トップスで観劇した哲学者の故中村雄二郎氏は、「昔あった小芝居のコッテリした味を仮面によって現代的に受け継いだユニークな劇団だと思った。今多くの現代劇が明確な方法論を失って衰弱してきているなかで、不思議に力のこもった舞台だと思った」と遊行寺公演のパンフレットで書いている。その通りの感想をもった。エキジビットの空間は、はじめからは舞台と客席が分けられていないので、シアタートップス公演の場合よりも、仮面と役者の声が生み出す〈中世説話らしい〉雰囲気が漂っていたかも。
 面白い仮面と芝居に感謝して、ご冥福を祈りたい。

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  劇団員の中に「吉見俊哉」の名が並んでいるが、メディア論・都市論の社会学吉見俊哉東大教授その人である。若いころは演劇志望であったらしい。

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