船橋の泥鰌(野田佳彦氏)の追悼の言や佳し

news.ntv.co.jp

 

十三代目市川團十郎白猿襲名披露(吉例顔見世)興行チケット何とか確保

 S席がとれなかったので、やむを得ず1F奥の席。難聴近視の身であれば、観えず聴こえずの芝居見物となりそうなので、十一代目・十二代目市川團十郎襲名興行でも観ている『助六由縁江戸桜』とはいえ、細部の記憶が確かでもないことから、岩波文庫助六所縁江戸桜』をぼちぼち読み始めている。✽「ゆかりの」は「由縁」と「所縁」の二つあり。

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

柿の実二つ

 庭の柿の木がほどほどに実をつけた。もはや脚立利用は危険なので、椅子の上に立って何とかいくつかを剪定ばさみで切り落としたが、数個が物置の屋根に落下、回収不能。2個ばかり収穫できたのでよしとしよう。甘い柿のはずである。かつては、近所の農家から柿をたくさんいただき、それを吊る柿にしていたので、わが庭の柿が渋柿と間違えられることがあった。

庭のタイワンホトトギス咲く

わが庭のタイワンホトトギスも咲きそろいつつある。風で揺れるので写真が撮りにくい。

林達夫の「歌舞伎劇に関するある考察」

 

www.iwanamishinsho80.com

▼ぼくが私淑している一人が林達夫です。彼は岩波書店の『思想』や、平凡社の『世界大百科事典』の編纂に携わった人物です。ぼくは百科事典に出会ったのが遅くて、その分感激したというか、すごく助けられてきたという気持ちがあって、彼を知った時は興奮しました。

 10/14(金)午前10時〜、11月の十三代目市川團十郎・白猿襲名披露興行夜の部「口上」&『助六由縁江戸桜』のチケット一般発売で大いに苦労、歌舞伎座特別会員&ゴールド会員の先行予約があって、10時20分ごろやっとアクセスできてもS席完売、何とか1F奥のA席を確保するのがやっとだった。左耳の難聴で近視(矯正でも0.7)のこちらとしては、厳しい場所。芝居じたいは知っているし、岩波文庫の『助六由所縁江戸桜』も所蔵している。熟読して備えたい。 
    さて読書猿さんの記事の刺激で、『林達夫著作集』(平凡社)を取り出し、時節柄第1巻『芸術へのチチェローネ』所収の「歌舞伎劇に関するある考察」を読む。歌舞伎について否定的な「考察」をしている。大正7年2月記『一高校友会雑誌』に発表されたもの、だいぶ気負った(若書きの)文章ではある。プラトンの『国家』における「詩人追放」の議論だろう。
 先日10/11(火)東京芸術劇場プレイハウスで観た、シルヴィウ・プルカレーテ演出のルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場公演『スカーレット・プリンセス(桜姫東文章)』は、倒錯的で(男優が桜姫を、女優が清玄&釣鐘権助を演じて)まさにデカンスの美をこれでもかとばかりに(しかし相対化する視点も忘れずに)舞台化していたのであった。殺陣の場面では、トルコの歴史大河ドラマオスマン帝国外伝』『キョセムS1』にあるような、剣をぐるぐる回して闘う所作で面白かった。

◎われわれの血管を流れている血液の中には美的傾向がある。悪魔的傾向がある。淫心がある。盗心がある。すべての犯罪への素質すらもある。
◎わたくしは歌舞伎劇を観るわれわれのこころに、ビョルクマンのいわゆる「瞬間」を見ないか。❇︎ビョルクマンの「瞬間」:「人間のあらゆる可能性ーー最も非人間的のものでもーーは、われわれの活力が滅却したり、警戒がゆるんだりした瞬間に、その有毒な爪牙をはびこらすのである。……」
◎わたくしは歌舞伎劇を目して一がいに似非芸術とはいわない。しかしギュイヨーがいったように「生活力の壊滅」がデカダン芸術の特質であるとしたならば、歌舞伎劇が少しもデカダン芸術の匂いを有していないとは誰が断言し得よう。社会的傾向のあるギュイヨーが芸術とはよりよき社会への暗示たり、新社会的環境の創造力の暗示たらざるべからずといった意味においても、歌舞伎劇は恐らく、われわれが目して本当の芸術ーーわれわれが進んで味わっていい芸術とは言えないであろう。
◎今は新しき国民生活の創始時代である。この時代において最も若きゼネレーションを形づくっているわれわれはいつまでも古い「美」の形骸になずんでいるのであるか。この際にあたって徳川時代が生み出した病的な、頽廃的な美的生活から断然脱しなければ、真正なる生活は築くことが出来ない。歌舞伎劇はわれわれを徳川時代につなぐ唯一の橋梁である。(略)現代の意力生活はこの古き「美」の芸術をすてなければならないのである。これが則ちわたくしの結語である。わたくしはこれをとくにわたくしのうちの歌舞伎劇を愛せむとする心にむかって言いたいと思う。

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

キンモクセイ

 

『室生犀星俳句集』(岩波文庫)発刊


(わが所蔵の『室生犀星句集:魚眠洞全句』北国出版社 1977年11月初版)

simmel20.hatenablog.com

 

クレオパトラから陸奥安達原(あだちがはら)の鬼女へ

 能&オペラの舞台『 ADACHIGAHARA』は観たかったが、昨日10/11(火)は、東京芸術劇場プレイハウスにて、シルヴィウ・プルカレーテ演出、ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場来日公演『スカーレット・プリンセス(桜姫東文章)』ソワレがあったので、残念ながらパス。この能『安達原(観世以外では黒塚)』は観ていない。現代劇の『安達原』は、2007年近松半二ほかの原作を元にした、宮城聡脚本・演出のク・ナウカ公演『奥州安達原』を文化学園体育館・特設会場にて観ている。それにしても森谷真理さま精力的に活動していて驚く。11/13(日)には、日生劇場で『ランメルモールのルチア』のタイトルロールを歌う。むろんチケットは押さえてある。

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

ヘンデルの『ジュリオ・チェーザレ』(10/8 新国立劇場オペラパレス)圧巻の面白さ

MORIYA Mari  BRAVA!

 ヘンデル作曲のバロック・オペラということで、新国立劇場オペラ部門音楽スタッフでみずからも古楽器演奏の活動を実践している根本卓也さんが、音楽コーチの一人として参加しているのも信頼できる。ピリオド楽器古楽器)を使用していない場合でも「モダン楽器のオーケストラであっても、古楽に精通した指揮者であれば、古楽的なアプローチを行い、モダン楽器にピリオド楽器の方法論を取り入れるに違いない」(山田治生「いまどきのバロック・オペラの楽しみ方」)。指揮者のリナルド・アレッサンドリーニは、ローマの古楽合奏団、コンチェルト・イタリアーノ創立者で、音楽監督。まさに「古楽に精通した指揮者」である。門外漢なので細かいところはわからないが、ともかく澄んだすばらしい音を聴かされて心地よかった。

simmel20.hatenablog.com

 バロック・オペラの場合、レチタティーヴォ(叙唱)とアリア(歌い終わると退場する退場アリア)中心の展開、個々の歌手の力量が問われるのである。タイトルロールを歌うのはマリアンネ・ベアーテ・キーランド(メゾソプラノ)であるが、実際のそして当日の主役は森谷真理(ソプラノ)のクレオパトラであった。

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com




国立劇場さよなら公演は『義経千本桜』トップバッター

simmel20.hatenablog.com

 

▼25日(金)2月大歌舞伎公演(歌舞伎座)昼の部を観劇。千秋楽(千穐楽)であるから文字通り、片岡仁左衛門知盛役を演じるのはこれで最後となる。観る方にも些かの緊張感があるというものである。
 昔(1968年)2カ月(3月&4月)2回にわたる通し狂言義経千本桜』を国立劇場で観ている。今回上演の「渡海屋」「大物浦」は3幕目の場で、3月(第一部)に観劇。渡海屋銀平実は新中納言知盛役は、三代目実川(實川)延若であった。父は、かの折口信夫が激賞した二代目延若である。

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com