10月にヘンデル作曲『(エジプトの)ジュリオ・チェーザレ』が、新国立劇場オペラパレスにて上演される。指揮:リナルド・アレッサンドリーニ、演出:ロラン・ペリー。2011年 パリオペラ座初演のペリーの演出では、舞台が現代の博物館の倉庫だとのことで、先日の宮本亞門演出の東京二期会オペラ劇場ワーグナー作曲『パルジファル』では現代の美術館だったから格別新鮮味は感じないが、予感としてワクワクしそうな展開と舞台装置&衣装には期待したい。バロックオペラだからアリア中心、個々の歌手の力量が出る。タイトルロールを歌うのは、メゾソプラノのマリアンネ・ベアーテ・キーランド。このオペラ初演はカストラート(castrato)が歌っている。ジュリアス・シーザー(ジュリオ・チェーザレ)を女性歌手が務めるのは驚くことでもない。実際の主役ともいえるクレオパトラ役が森谷真理(ソプラノ)、だからチケットを買っているわけである。
演劇のシェイクスピア作『ジュリアス・シーザー』は、2000年11月に、東京グローブ座で、英国ヤング・ヴィック・シアター・カンパニーの来日公演『 JULIUS CAESAR』を観ている。シーザー、ブルータス、アントニーなど以外は各俳優複数の役掛け持ちで、総数少ない俳優陣で何ら不都合を感じさせない、すばらしい舞台であった。最近のドラマでは、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での三浦義村役の山本耕史とか、米国NBC制作の『GRIMM╱グリム』でのレナード警部役の男優とか〈脱ぎ役〉で、米国HBO制作のドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ(GOT)』などヨーロッパの実力派女優がバンバン脱ぎまくっているのと比べると、「女優は脱がない、男優は脱ぐ」という残念な傾向なのか。個人的に観ている狭い範囲での観察なのでわからない。
英国ヤング・ヴィック・シアター・カンパニーの来日公演『 JULIUS CAESAR』では、古代ローマの浴場の場面で、男優らがフルヌード、シェイクスピアの本場の〈迫力〉に感動した思い出がある。
クレオパトラとトロメーオ姉弟のこのシーンでは、バロックならではの倒錯性が、演出家ペリー独特のユーモアセンスで描かれます。実際の舞台に照明が入ると、美しさは何十倍にも変貌します。楽しみですね! pic.twitter.com/2ulzjjel2Z
— 新国立劇場オペラ New National Theatre Tokyo - Opera (@nntt_opera) 2022年9月20日
『#ジュリオ・チェーザレ』開幕まで1週間!リハーサルは衣裳付きの舞台稽古まで進みました。洒落っ気たっぷりの舞台は目にも耳にも楽しさいっぱいです♪#新国立劇場オペラ pic.twitter.com/nNuXYZVM5e
— 新国立劇場オペラ New National Theatre Tokyo - Opera (@nntt_opera) 2022年9月26日