真言宗智山派総本山智積院の「楓図」と「桜図」

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 長谷川等伯筆の「楓図」と、夭逝した息子の長谷川久蔵筆の「桜図」の2作品は、2013年に京都を旅した折、智積院で観ている。圧倒された思い出がある。できれば美術館でではなく、いつの日かまた京都の智積院で観たい思いがある。

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智積院
 京阪七条駅降りてボヤボヤしていたら中年の男の人が声をかけてくれて、「三十三間堂いくんだろ、あっちのエスカレーターあがってまっすぐ行きな」と。「その先の智積院に行くんだけど、ありがとうございます、おおきに」とこちら。
 三十三間堂を通り過ぎて、真言宗智山派総本山智積院に到着。長谷川等伯筆の「楓図」、「松に秋草図」、「松に立葵図」(いずれも国宝)、「松に黄蜀(とろろ)葵図」および、夭逝した息子の長谷川久蔵筆の「桜図」(国宝)などを鑑賞した。「桜図」には感激。その枝の雄渾な「遊び」には、どんな写真も及ぶまい。

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アスミク・グリゴリアン(ソプラノ)のサロメ、EU盤DVD所蔵

 アスミク・グリゴリアンがタイトルロールを歌う、リヒャルト・シュトラウス作曲楽劇『サロメ』は、フランツ・ウェルザー=メスト指揮、ロメオ・カステルッチ演出、ザルツブルク音楽祭2018収録のEU盤DVDを所蔵している。私事ごたごたがあって、購入後観る機会を逸していたのだった。11/24(木)日生劇場での東京二期会オペラ劇場、ジャック・オッフェンバック作曲の『天国と地獄』を観劇してから、折をみて視聴したい。

 
    なおTwitterでアスミク・グリゴリアンの歌唱と演技を推奨している冨平安希子(ソプラノ)さんは、『天国と地獄』でユリディス(エウリュディケー)役を務める。愉しみ。






さいたま文学館開館記念日

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今年は年末の吉祥寺シアターはスルー

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 劇団SCOT(鈴木忠志主宰)からメールが届いた。
▼劇団SCOTは、今年も吉祥寺シアターで公演を行います。╱12月16日から24日まで、演目は『サド侯爵夫人(第二幕)』(鈴木忠志演出、三島由紀夫作)です。╱本作は2019年に吉祥寺シアターで上演し、たいへん好評だったため、再演が決定しました。╱また、各日終演後には、特別企画「三島由紀夫とSCOT『サド侯爵夫人(第二幕)』をめぐって」を開催します。╱菅孝行氏(16日)、渡辺保氏(17日)、大澤真幸氏(18日)をゲストに招いたトークや、鈴木忠志トーク(21〜24日)を行います。▼
 演し物が『サド侯爵夫人(第二幕)』で、ゲストも相変わらずの面子では、わざわざ千葉船橋から東京吉祥寺まで出向く気がしない。今年はパスだ。かつては年中行事のように暮れに吉祥寺まで観劇に足を運んだものだが。演出家鈴木忠志もいよいよ(破壊と創造の泉が)枯渇してきたのか?
 三島由紀夫の代表的戯曲作品『サド侯爵夫人』のSCOT公演は、かつて静岡芸術公園内楕円堂で観ている。

simmel20.hatenablog.com 2019年12月の吉祥寺シアターでの再演は、(同演目の観ていない幕の公演と勘違いし)前売りチケットを購入していたが、当日都合が悪くなって観劇を断念している。今回ははっきりとパスである。

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『室生犀星研究』(室生犀星学会機関誌)第45輯刊行

 室生犀星学会の機関誌『室生犀星研究』第45輯が刊行された。目次を眺めると、須田久美、黒崎真美、黒田敦子と、何やら脚韻・頭韻を踏んでいるような研究者名が並んでいて紛らわしい。
【黒崎真美『室生犀星「人魚使ひ」考』より】
▼犀星は後年、「公園小品」(大正9/8『雄弁』)に浅草の印象を、「浅草は行きつけると妙に行きたくなるところであるが、行かないでゐると、別に行きたく思はない。」(『星より来れる者』1922・2 大鐙閣)と書いている。「乱雑で娯楽機関が非常に低級」で、「何となく犯罪的興趣と、戯曲的場面とを持ってゐる」場所だという一方、「浅草公園そのものが既に空想的である」ともいう。また、浅草の景色は、「非常な遠い10年も20年も以前のことを思ひ出」してノスタルジックな感傷を呼び起こし、「物悲しげな心」にするとも記す。享楽と猥雑な街の空気が、幼い日の千日町の記憶を思い出させたのかもしれない。▼
【黒田敦子『葉山修平「バスケットの仔猫」論』より】
▼(房子は菖子を折檻した後)化粧室へはいり、入念に化粧した。
「バスケットの仔猫」は、川端康成「化粧」(昭和7・4『文藝春秋』)の中の、谷中の斎場で悲しみのあまり、「肩をふるはせしゃくりあげて」泣いていた少女が、厠にはいると、「小さい鏡を持ち出し、鏡ににいつと一つ笑ふと、ひらりと厠を出て行ってしまった」というフレーズから逆算して結構されたものであるかもしれない。▼
❉葉山修平は室生犀星晩年の愛弟子であり、その出会いの契機となった作品が犀星激賞の「バスケットの仔猫」である。なお室生犀星学会2代目の会長を務めている。

 

柴田真郁指揮、田尾下哲演出『ランメルモールのルチア』(11/13 日生劇場)観劇

森谷真理(ルチア)&宮里直樹(エドガルド)Bravi!


      

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    帰路、来年閉館の津田沼パルコに寄り、A館6Fの日本海庄やで生ビールと特上寿司盛合せをいただき、劇場での治まらない感動を反芻したのであった。

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十三代目市川團十郎白猿襲名披露(吉例顔見世)興行観劇(歌舞伎座にて 11/10)

  一般発売日午前10:00〜で、10:20にようやくアクセスできても、すでに夜の部S席(1等席)は完売、やむを得ずA席(2等席)をなんとか確保。一昨日11/10(木)に観劇。後方6列がA席で、階段状になっているので予想外によく観ることができた。持参のオペラグラスもフル稼動、愉しめた。左耳難聴なので口上の声はあまりはっきり聴きとれなかったが、「お願い申し上げ奉ります」という最後のところだけ聴いていればよい(?)のが口上なので、大先輩松本白鸚丈のいかにも心配そうな励ましの雰囲気さえ伝わってくれば、不満は残さない。
 メインの『助六由縁江戸桜』では、髭の意休(実は伊賀平左衛門)役が尾上松緑。三浦屋の花魁揚巻役が尾上菊之助尾上菊之助は、NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で演じていた時代劇の人気スターのイメージがあるので、その(とうぜんの)変身と艶やかさに驚嘆した。髭の意休役は、十一代目市川團十郎襲名披露興行(1962年)の同狂言で演じた六代目坂東簑助(後八代目坂東三津五郎)の印象が強く、どうもしっくりこない。個人的事情である。とまれ、十一代目、十二代目、そしてついに十三代目の(3代にわたる)市川團十郎白猿襲名興行の舞台を観ることができて嬉しいかぎり。襲名興行はしょせんお祭り、團十郎白猿の役者としての円熟はこれからなのであろう。


 休憩時間での館内食事が解禁となり、喜ばしい。予め歌舞伎座地下の売店で大阪発の銀座グルメ、新世界ビーフヘレカツサンドを買い求め、口上の後の幕間休憩(35分)にロビー立食スタンドで食べた。評判通り美味しい! 

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イタリアのパン、(焼き上がりの)フォカッチャの自然保温

 イオンのネットショップでイタリアのパン、フォカッチャを購入。明日の朝食はこれ。オーブントースターで温めて食べることになるが、焼き上がりのフォカッチャの自然保温の仕方でかつて面白い知識を得たことがある。(2013年4月)京都を旅した折、八坂の塔下のイタリアン、(予約してあった)イル ギオットーネで夕食、テーブルにフォカッチャが出された。ブログ記事を再掲しておこう。
▼「イル ギオットーネ(IL GHIOTTONE)」
 夕食は、予約してあった八坂の塔真下の「イルギオットーネ」でいただいた。笹島保弘シェフの独創が生きるイタリアンとして、京都でも屈指の店ときいている。コースのディナーは質量ともに満足。店内は白と黒のシンプルな色調で、次々に供される料理の色彩が鮮明となる。みごとである。南イタリアのCabernet Sauvignon種の赤ワインをグラス2杯、白ワインを1杯呑んだ。桜の酔いにワインの酔いが加わって、旅の愉悦が極まった。オリーブをつけて食べる、イタリアパンのフォカッチャは柔らかくて食べやすい。麻袋のパンの下に入れられたサクランボの種でパンが保温され、温かいまま取り出せた、ありがたい。トイレから戻ると、隣のテーブルの若い女性が誕生日の祝福を受けていた。こちらも慌てて、拍手を送ると、「ありがとうございます」と女性が微笑んでくれた。女性の向かいの青年はやたらビールを注文していたが、こんなところで恋人の誕生を祝ってあげるとは大したものである。あるいは見かけと異なり老舗の若旦那でもあろうか、みずからの乏しさを忘れて他人の財布の中身を推測したものである。(2013年4/18記)▼

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