2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

作家井上光晴忌

⦅『地の群れ』(河出書房新社)は、見つからず。⦆ 作家の井上光晴が亡くなって(1992年5/30没)早22年も経っていたのである。昔、東京池袋の豊島公会堂で、花田清輝のとともに講演会で話を聴いたことがある。たしか書いたばかりの掌篇を読み上げて、講演に…

老害政治家

野口武彦氏の「生きがいを見つけた旗本」(『江戸人の昼と夜』筑摩書房)は、寛政6(1794)年2月に実施された「学問吟味」(=人材登用試験)で、御目見得以上&以下それぞれで主席合格した、遠山金四郎景晋(かげみち)と太田直次郎(蜀山人)の人生での交…

長篇・短篇・掌篇

中国文学者高島俊男氏の『漢字雑文』(講談社現代新書)をパラパラ捲っていると、「篇と編その他」が目に留まった。山田俊雄氏の『ことばの履歴』(岩波新書)に触れ、正字正カナ主義の山田氏が「書名・用字・仮名遣いに至るまで」岩波書店の編集方針に合わ…

現代の墨絵

現代作家による墨絵の展示会が、6/2〜6/7の期間催されるとのことである。わが年長の友高橋甲子男画伯も一品発表している。場所は、東京銀座「ギャラリー志門」。魅力的な企画である。 (わが所蔵の、高橋甲子男作銅版画「三日月と梟」)

作家葉山修平の文学的軌跡

作家葉山修平氏の文学的軌跡を詳細に追究・論評した、新美守弘さんの『葉山修平にみる文学世界』(龍書房)が上梓された。文藝雑誌(隔月刊)『雲』(龍書房)にかつて連載されたものに手を加え、一冊の本となったのである。新美守弘さんは、短篇集『リルケ…

北村早樹子「蜜のあはれ」を聴く

たまたま「蜜のあはれ」という、室生犀星の代表作のひとつと同じ題名の曲のことを知り、聴く。ずいぶん変わった音楽で驚いた。映画『へばの』の主題歌とのことである。 http://hebano2009.exblog.jp/15529187/(『へばの』公式HP) 北村早樹子さんのブログを…

デューク・エリントン「マネー・ジャングル」

https://www.youtube.com/watch?v=6CuMgLM558s 本日は、デューク・エリントン没後40年(1974年5/24没)の命日にあたる。デューク・エリントンのLPは、この『マネー・ジャングル』(日本コロンビア発売)1枚のみ所蔵。昔はよく聴いたLPの1枚。何年か前東京…

はなより花子

NHK朝ドラ『花子とアン』の昨日と今日の放送回では、ヒロインのはな(吉高由里子)が安東花子の筆名で雑誌の童話作品募集に応募・投稿したところ、みごとに入賞するが作者の名前はなんと安東はな、そのことには失望してしまう話。はなは、幼少のころから、は…

イプセン忌

本日5/3は、ノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセン(Henrik Ibsen)の祥月命日(1906年5/23没)である。この劇作家の作品について触れたわがブログ記事を紹介しておく。 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20110307/1299484461(『ロスメルスホルム』) http…

写真家イリナ・イオネスコ(Ⅱ)

映画『ヴィオレッタ』公開に刺激されて、写真家イリナ・イオネスコのわが写真集ミニコレクションを紹介しておいたが、昔個人紙『インテルメッツォ』に載せたエッセイ「仮面について」(1995年掲載:2000年改稿)で、イリナ・イオネスコについて触れているこ…

ドストエフスキー小説の主人公

文学としての小説においては、私小説ということばの文学史的に厳密な意味を保留して、作者にとっての「プライベートの地獄」を描こうが描くまいがなにがしかの〈私小説性〉もしくは告白性が、作品の核に存在するであろう。物語の主人公は、作者の分身として…

写真家イリナ・イオネスコ

http://eiga.com/news/20140117/7/(「映画ニュース:イザベル・ユペール主演で物議をかもした写真集「エヴァ」を映画化 」) 同映画は、東京渋谷のシアター・イメージ・フォーラムで5/14(水)〜5/29(金)上映中である。膝関節痛が治まれば鑑賞に行きたい…

花が咲かないライラック

http://sappoko.com/archives/22183(「第56回さっぽろライラックまつり」) 北海道札幌市では、「第56回さっぽろライラックまつり」が催されるそうだが、わが家の鉢のライラックは、憎き芋虫(スズメガの幼虫?)のせいで今年は花が咲かないようである。残…

劇団「イキウメ」の『関数ドミノ』

大人の「関数ドミノ」目指す 劇団「イキウメ」:朝日新聞デジタルはてなブックマーク - 大人の「関数ドミノ」目指す 劇団「イキウメ」:朝日新聞デジタル 2009年5月に、「イキウメ」の『関数ドミノ』は観ている。この劇団の財産なのだろう。再びの観劇の予定…

六本木・南麻布を歩く

一昨日5/10(土)は、東京六本木・南麻布の街を歩いた。このところ膝痛治まらず、プロのサッカー選手のように少し無理をしての街歩きとなった。出発時に思ったより歩けそうと油断して、JR津田沼駅の階段を手摺に一度も掴まらず上ったのが甘かった。それでも…

仮面と『山の音』

本日の『東京新聞』「TOKYO発」紙面に、東京北区西ヶ原の洋菓子店「カド(CADOT)」のことが紹介されていた。「初代店主の高田壮一郎さんは海外渡航にまだ制限のあった1956(昭和31)年、パリへ渡って洋菓子作りの修業に励んだ。父親で洋画家の力蔵さんも戦…

先ず貝より始めよ

このところTVなどで、東京湾船橋沖三番瀬で水揚げされているホンビノス貝のことが話題になっている。船橋市民としては、地元の漁業を支持したいので、さっそく近所のスーパーで購入。アメリカのクラムチャウダーならぬ和風の吸い物の具として、夕食にいただ…

大学教育の理想

読売新聞に哲学者の書いた記事が載ってたので嬉々として読んだ。納富信留(のうとみ のぶる)プラトン研究の第一人者。 こどもの日だからか学校や教育に関する記事が多く目に付く。この記事は教育機関として矛盾を孕んだ昨今の大学の在り様について。 pic.twit…

NHKドラマ「日時計」

本日5/6は、イギリス人陶芸家バーナード・リーチの命日(1979年5/6没)にあたる。板谷波山以外とくに陶芸に知識と関心をもっていないが、昔NHKで放送されたドラマ「日時計」でこの陶芸家の名を知った次第である。C.W.ニコル原作『バーナード・リーチの日時計…

「ピーターパン」のパン

(「ピーターパンHP」より拝借) 昼食と午後のお茶用の食材調達で、ひさしぶりに習志野市奏の杜「ピーターパン」に出向いた。津田沼駅からほどよい距離にあり、ウォーキングの運動を兼ねての楽しいショッピング。先日の某テレビ放送では、船橋市民500人アン…

ドストエフスキーの小説

昨年3月に本邦初訳(桑野隆訳)の初版が上梓された、ミハイル・バフチンの『ドストエフスキーの創作の問題』(平凡社ライブラリー)を読む。「ドストエフスキーとは、ポリフォニー小説の創造者なのである」との立場で、作品に即して自説の説明を試みている。…

「演劇実験室◉天井棧敷」は歴史の彼方に

演劇・映画プロデューサーの九条今日子さんが死去 寺山修司さんの元妻 - エンタメ - 朝日新聞デジタル&wはてなブックマーク - 演劇・映画プロデューサーの九条今日子さんが死去 寺山修司さんの元妻 - エンタメ - 朝日新聞デジタル&w http://posterharis.…

蜷川幸雄演出『にごり江』は観ている

脚本・演出家の堀井康明さんが死去 元東宝演劇部プロデューサー | イオンスクエアニュース | イオンスクエアはてなブックマーク - 脚本・演出家の堀井康明さんが死去 元東宝演劇部プロデューサー | イオンスクエアニュース | イオンスクエア 蜷川幸雄演出『…