作家葉山修平の文学的軌跡


 作家葉山修平氏の文学的軌跡を詳細に追究・論評した、新美守弘さんの『葉山修平にみる文学世界』(龍書房)が上梓された。文藝雑誌(隔月刊)『雲』(龍書房)にかつて連載されたものに手を加え、一冊の本となったのである。新美守弘さんは、短篇集『リルケの死』(菁柿堂)の作家で、葉山修平氏とは開成高校で師弟の関係にあったが、ここでは同じひとりの作家として対象と対峙しているのである。昨今、なにか本を書きあげればみな〈作家〉と呼称されるが、本来の意味での作家の文学的営為がとりあげられている。なお「あとがき」にもあるように、著者新美守弘さんによる4年前の連載のあともこの作家の創作活動は旺盛であり、いずれは続編としてそれらをも追究・論評するであろうことを期待してよいだろう。
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20130807/1375842006(「青春から〈老春〉へ—作家新美守弘」)