「講談とシャンソン」のコラボを聴く


 昨日12/8(土)の午後は、東京銀座みゆき館劇場にて、一龍斎貞水人間国宝)の弟子、一龍斎貞友の講談&講談とシャンソンとのコラボを聴いた。貞友は、平成16年真打ち昇進の女性講談師で、テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」「クレヨンしんちゃん」などの声優としても活躍しているそうである。なるほど子供の声を出すと、聞いたことがある感じである。
 講談は、「徂徠豆腐」。長屋暮らしの貧乏学者だった荻生徂徠に無償で豆腐とおからを提供し続けた豆腐屋の上総屋が、元禄15年近隣のもらい火で焼けだされ悲嘆に暮れているとき、柳沢吉保に仕える身分となって出世した徂徠に家を新築して恩返ししてもらうというお噺。けっこう笑わせながら展開、楽しかった。
 浜野ケイ子のシャンソンライブ。「思い出のシチリア」がよかった。ピアノは、予定奏者変更で内山誠、ヴァイオリンは呉ヨンスン。第2部が、講談とシャンソンとのコラボで、パリのモンマルトルの丘で美しいときを共有した少年と少女が、10年後、20年後、30年後〜の同じ日に会う約束をして別れ、それぞれの人生を経て、30年後に出会い、そして40年後、亡くなった男の娘とその子が伝言を持ってモンマルトルの丘に現われるという、切なく哀しいが希望もある物語。シャンソンは、「ラ・ボエーム」(一部のみ)はよかったが、講談にあわせてか(?)情緒的で深みには欠ける。貞友は、ことばを「噛んで」ばかりでプロとしては情けなかった。
 http://kazanuto.blog59.fc2.com/blog-entry-963.html(「ラ・ボエームについて」)
 ともあれ面白い試みで、楽しく過ごせた。なおS氏主宰落語研究会の企画であったので、終演後は、有楽町居酒屋で会食。参加は6名。