2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

歌舞伎座の思い出

歌舞伎座が、いよいよ本日をもってとり壊しの運びだとのことである.このところ歌舞伎座に観劇に出向くことはなくなっていたが、昔は観に行く機会があった.少年時代に、「假名手本忠臣蔵」 五段目「山崎街道鉄砲渡しの場」「山崎街道二つ玉の場」六段目「与…

尊敬と悪罵

執筆中の小説の必要から、遅まきながらロン・パワード監督『ビューティフル・マインド』のDVDを鑑賞した.ノーベル経済学賞を受賞したジョン・ナッシュ(ラッセル・クロウ)を主人公に、その愛妻アリシア(ジェニファー・コネリー)との苦闘の軌跡を描いた映…

花の名前

昨日は、隣の市で開かれている植木市に出かけた.あいにく気に入った苗木がなく、めずらしく手ぶらでの帰宅.途中寄ったビストロ風のフレンチの店の「豚トロと野菜ポトフ」のランチが満足できる味だったので、無駄足ではなかった. ほしかったのは、ミモザの…

「皐月賞」的中

4/18(日)の「皐月賞」の勝馬投票券(購入)はみごと的中した.13ヴィクトワールピサと16ヒルノダムールの2頭を軸に3連複、京成杯(中山・2000メートル)勝ちのエイシンフラッシュを押えたのが正解であった.3歳成長期のこの時節、背負う重量も変化し、発…

さて「皐月賞」の血統

今年も「皐月賞」直前となってしまった.先週の「桜花賞」は、4着のショウリュウムーン(佐藤J)が、最内枠で外に出すのに手こずることさえなければ3着で、的中だったのに惜しかった.もっともだれにとっても競馬は、つねに惜敗で省みられる結果なのである…

「四川大地震の記」再録

4/14日中国青海省で起こった地震は、大惨事となっているようだ.08年の四川大地震を思い起させる.ここでも漢人対チベット人の民族格差があるらしいが、詳細についてはわからない.単純化して外から批判することはたやすいが、貧困からの脱却という課題達…

井上ひさしの芝居

相当なDV歴があったらしい劇作家の井上ひさし氏が逝去とのこと。この劇作家の必ずしも熱心な観客ではなかったが、五つほどの舞台を観劇している. 芸能座アンコール公演『しみじみ日本・乃木大将』木村光一演出:新宿紀伊国屋ホール:1979年 五月舎江戸三部…

教師の読書について

教育評論家の尾木直樹氏は、『教師格差』(角川oneテーマ21)で、近ごろの学校教師の読書について書いている. 「教師は本を読まない、ということは、いまや出版社や書店の嘆きにもなっており、筆者の経験からも確信に近くなっています. 私は、学校に限らず…

新自由主義とリバタリアニズム

政策理念において福祉・環境を重視している民主党政権下であるからだろう、「小さな政府」論を前提に、現政権および、その応援団とみなすwhat you call〈バカ左翼〉批判もしくは罵倒の議論が少なくない.政治と経済に関しては、勉強不足で論評できる立場では…

歌磨版画の色彩

永井荷風のような掃苔の趣味があるわけではないが、寺院の墓地や、沖縄の独特の形状の海辺の墓を眺めるのは、興味深いものがある. 春の彼岸会の法事の日(3月21日)、東京世田谷区烏山の専光寺(写真)に出向いた.父と病死した弟が眠っている.ここは、か…

子規俳句の血脈

自民党周辺での離党・新党結成をめぐる動きには、麻布高校の同窓が中心にあるようだ。政界にも多くの俊秀を送り出しているこの学校の実力には、感嘆させられる.わが甥が、麻布(→東大建築科)出身なので親近感と関心をもっている。現在日本の高校で最高の学…

すてきなカット集

拙著の装丁で原画を描いていただいている画家の高橋甲子男氏が、カット集を龍書房から上梓した.同社の月刊文芸誌『雲』に掲載されたものをまとめた画集である.ほどよい抽象と具象のバランスで、日常見なれたものたちが、新鮮な魅力を放っている。ネットの…