さて「皐月賞」の血統

 今年も「皐月賞」直前となってしまった.先週の「桜花賞」は、4着のショウリュウムーン(佐藤J)が、最内枠で外に出すのに手こずることさえなければ3着で、的中だったのに惜しかった.もっともだれにとっても競馬は、つねに惜敗で省みられる結果なのであるが.ただ注目すべきは、1、3、4着馬がいずれもキングカメハメハ産駒であったことだ.
 今回の「皐月賞」でこの種牡馬に該当するのが、マンハッタンカフェではないか。この3月ドバイのメイダン競馬場で開催された「マクトゥームチャレンジラウンド3」競争で優勝している、レッドディザイア号の父である.種牡馬としての勢いは、キングカメハメハに劣らない.その産駒、ハンソデバンドゲシュタルトサンディエゴシチーヒルノダムールガルボの5頭が出走する.もちろんキングカメハメハ産駒のローズキングダムと、ネオユニヴァース産駒のヴィクトワールピサの2頭の実力・実績が抜けているのはたしかであるが、2000メートルの中山、しかも土曜日までは雨模様のようで、波乱の可能性は低くない.この血統に注目する人は当然多いであろう.
 こちらが血統的にひそかに注視しているのは、母の父がトニービンネオヴァンドーム(安藤J)だ。このBMS(ブルードメサイアー)は、すでに2頭の皐月賞馬を出しているし、父ネオユニヴァースサンデーサイレンス系で相性のよい配合。前走「きさらぎ賞」勝利は、M.デムーロJの好騎乗によるとしても、「桜花賞」2着のアンカツの腕も信頼したい.
 トニービンは、第8回「ジャパンカップ」で、その年の凱旋門賞馬として期待され出走するも5着に敗退.そのときの2着馬が、わが贔屓だったタマモクロス、惜しい負けであった.そのトニービン号のオーナーが当時ACペルージャ(現ペルージャ・カルチョ)の経営者だったルチアーノ・ガウチ会長、中田英寿選手を招いた人物で、日本とは縁のある人だ.そこでネオヴァンドームの激走を楽しみにしているが、勝馬投票券購入となるとまた別の問題ではある.

⦅写真(解像度20%)は、東京台東区御徒町公園の躑躅(つつじ)。小川匡夫氏(全日写連)撮影.⦆