花の名前

 昨日は、隣の市で開かれている植木市に出かけた.あいにく気に入った苗木がなく、めずらしく手ぶらでの帰宅.途中寄ったビストロ風のフレンチの店の「豚トロと野菜ポトフ」のランチが満足できる味だったので、無駄足ではなかった.
 ほしかったのは、ミモザの苗.前、庭に植えてあったのだが枯れてしまった.もういちど育てたいものだ.この花の名ミモサは、ギリシアのマイム劇ミモスからきた、オジギソウ属をさす呼称だったものが、花の形態から誤用されて、フサアカシア・ギンヨウアカシアをさす名前となって定着したそうだ.
 植木市では、ヤマブキの札の苗が多く見られたが、これは正確にはシロヤマブキ(白山吹)で、ヤマブキとは同じバラ科でも属が異なる.花弁・顎の数、葉の付き方などが違っている.わが家の庭に植えてあるが、小さな黒い実が花より先に現われて可憐である.八重咲き種のヤマブキだと、「実のひとつだになきぞ悲しき」ということになる。
 わが庭のひとつの鉢で、青い小さな花が横に広がってこぼれそうに咲いている。アメリカンブルーとふつう呼ばれているが、これは商品名で、エボルブルス・ピロサスという名が本来の名である.また庭では、チューリップの存在感を薄くするように、やや錆びてきたつるバラ用アーチでアブチロンが、赤い花をたくさん垂らしている.浮釣木(うきつりぼく)ともチロリアンランプともいわれている.
 これからピークのなんじゃもんじゃは、ヒトツバタゴで、学名のChionanthus⦅chion(雪)+anthos(花)⦆の通り、白い花が雪のように樹を彩る.わが船橋市でこれを見ることができるのは、嬉しいことだ.なんじゃもんじゃの名が愉快である.
 初夏にかけて、つる性のクレマチスが咲く.テッセンあるいはカザグルマなどの名もあるが、テッセン(鉄線)は江戸時代に中国から渡来したもので、カザグルマ(風車)は日本の自生種。現在は、カザグルマが外国で交配・品種改良されたものが、いわば逆輸入されたものが多いようだ.クレマチスは総称的名称.いずれにしろ涼しげで爽やか、咲くのが待たれる花だ.
 もっとも「What's in a name? that which we call a rose/By any other name would smell as sweet;」とのジュリエットの言い分も首肯できるところである。花に酔えばよいのであり、あまりこだわることもあるまい.

⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家のクレマチス。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆
   http://www.geocities.jp/clematis_ozawa/main.htm