渡辺守章氏の逝去を悼む

www.asahi.com

simmel20.hatenablog.com

渡辺守章演出の舞台で、最も記憶しておきたいのは次の二つ。

f:id:simmel20:20210422163602j:plain

f:id:simmel20:20210422163621j:plainf:id:simmel20:20210422163632j:plain

1975(昭和50)年7/19、冥の会公演、セネカ原作、渡辺守章訳・潤色・演出『メデア』新宿紀伊国屋ホールにて。 

f:id:simmel20:20210422164410j:plainf:id:simmel20:20210422164425j:plain

f:id:simmel20:20210422164439j:plain

1988(昭和63)年4月、折口信夫の「死者の書」を基にした、渡辺守章脚色・構成・演出『當麻(たえま)』。このときはまだ、野村萬歳は野村武司(本名)の名で出演していた。

 

劇作家清水邦夫氏の逝去を悼む

www.asahi.com

 清水邦夫作品の舞台は、こちらの勘にも依っているが、その後の評価で代表的な作品とされるものをだいたい観ている。ほかにも観ている可能性もあるが、とりあえず公演プログラムが見つかった限りで、観劇年代順に整理しておきたい。

f:id:simmel20:20210417172732j:plain

f:id:simmel20:20210417172752j:plain

 1980年東京・砂防会館ホールにて、劇団民藝公演、宇野重吉演出『わが魂は輝く水なり—源平北越流誌』。

f:id:simmel20:20210417173246j:plainf:id:simmel20:20210417173257j:plain

f:id:simmel20:20210417173312j:plainf:id:simmel20:20210417173325j:plain

 1984年4月PARCO西武劇場にて、蜷川幸雄演出『タンゴ・冬の終わりに』。個人的感想ではおそらく蜷川幸雄演出の舞台作品としては、最高傑作であろう。清村盛(平幹二朗)の妻ぎん役の松本典子(✼清水邦夫令夫人)の名演技は舞台史に残る。

f:id:simmel20:20210418131454j:plainf:id:simmel20:20210418131506j:plain

f:id:simmel20:20210418131524j:plain


▼「子どもじみた夫婦の交信らしい」と作品に説明されている、軽く手をあげて互いに瞶(みつ)めあいつつホ…と声を掛け合うところは、とくに鮮明である。妻を姉と思いこむほど狂気の世界に閉じ籠ってしまい、ぎんにも去られた盛は、彼の生地である日本海沿いの町の古びた映画館のなかでついに倒れてしまう。
 ある日、ある時……
 北国シネマ館内。旅装のぎん、現われる……
 ぎん、盛が倒れたあたりを見つめて……
ぎん:ホ…… (清水邦夫『タンゴ・冬の終わりに』講談社所収同作pp.243~244)

f:id:simmel20:20210417174204j:plain

f:id:simmel20:20210417174214j:plainf:id:simmel20:20210417174227j:plain

 1992年12月東京両国シアターX(カイ)にて、木冬社公演、清水邦夫作・演出『冬の馬』。

f:id:simmel20:20210417174907j:plainf:id:simmel20:20210417174917j:plain
 1997年4月下北沢ザ・スズナリにて、梁山泊百八竜組提携公演、金盾進演出『楽屋』。

f:id:simmel20:20210417175407j:plainf:id:simmel20:20210417175423j:plain

f:id:simmel20:20210417175447j:plain

f:id:simmel20:20210417175456j:plain

 2011年にしすがも創造舎体育館特設会場にて、大規模修繕劇団旗揚げ公演、蜷川幸雄演出『血の婚礼』。むろんスペインの詩人・劇作家ガルシア・ロルカの『血の婚礼」からインスピレーションを得て創作された作品。ロルカグラナダで反乱軍に銃殺された1936年に、清水邦夫は誕生している。1987年秋新宿文化センターにて、アントニオ・ガデス舞踊団の来日公演があり、前年の来日公演で『カルメン』を観劇していたので、そのときは『血の婚礼』&『フラメンコ組曲』を観ている。このアントニオ・ガデスの『血の婚礼』の舞台のほうが印象に残っている。

f:id:simmel20:20210417183532j:plain

 

若松武史(旧・若松武)の逝去を悼む

www.asahi.com

  天井桟敷時代の若松武以来、その声の魅力に惹かれていた。ご冥福を祈りたい。いろいろなところでその演技を観ているはずであるが、とりあえず天井桟敷時代の若松武の舞台を追憶したい。

f:id:simmel20:20210417113410j:plain

 1969年4月東京青山の草月会館ホールにて、寺山修司主宰の天井桟敷旗揚げ公演『青森県のせむし男』が上演されている。こちらは支持会員(会員NO.2)であったのでとうぜん、旗揚げ公演を観ている。若松武はこの後の公演に出ていたらしい。

f:id:simmel20:20210417113849j:plainf:id:simmel20:20210417113908j:plain

 1983年6月PARCO西武劇場にて、寺山修司作、鈴木完一郎演出『毛皮のマリー』。

f:id:simmel20:20210417115100j:plain

f:id:simmel20:20210417114241j:plain

f:id:simmel20:20210417114343j:plainf:id:simmel20:20210417114352j:plain

 1985年東京渋谷PARCO SPACE PART3にて、フェルナンド・アラバール作・演出、利光哲夫翻訳『大典礼』。

f:id:simmel20:20210417114800j:plain

f:id:simmel20:20210417114819j:plain

『エリザベート』は、春野寿美礼(エリザベート)&マテ・カマラス(トート)で聴いた

www.nhk.jp

    NHKあさイチ』は、キャスターに(意外とお茶目な)木村奈穂子アナが入り面白くなった。今日のプレミアムトークのゲストは、ミュージカル界のプリンス井上芳雄さん。『サウンド・オブ・ミュージック』メドレー、『エリザベート』から「トート最後のダンス」、「瑠璃色の地球」を歌った。さすがに聞かせる、堪能した。ただしテレビの前に立ったまま動けず、せっかくのミルクティーが冷めてしまった、今日の朝であった。

f:id:simmel20:20210416173520j:plain

www.youtube.com

エリザベート』は、2012年5/31帝劇にて、春野寿美礼エリザベート)&マテ・カマラス(トート)で観劇している。マテ・カマラス=トートのウィーン盤 DVDも所有し聴いている。

simmel20.hatenablog.com

 

 

 

川端康成命日(1972年4/16自殺死)

 【川端康成ブログ過去記事】

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

simmel20.hatenablog.com

 

「怪奇・幻想」時代の本(1):緑色の本

  わが所有の澁澤龍彦『毒薬の手帖』(桃源社)は、1963(昭和38)年6月初版。

f:id:simmel20:20210414170331j:plain f:id:simmel20:20210414170341j:plain

f:id:simmel20:20210414170447j:plainf:id:simmel20:20210418212130j:plain

 緑色装丁の本といえば、もう1冊。種村季弘『吸血鬼幻想』(薔薇十字社)、1970(昭和45)年7月初版。

f:id:simmel20:20210414170800j:plain

f:id:simmel20:20210414170818j:plainf:id:simmel20:20210414170831j:plain