劇作家清水邦夫氏の逝去を悼む

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 清水邦夫作品の舞台は、こちらの勘にも依っているが、その後の評価で代表的な作品とされるものをだいたい観ている。ほかにも観ている可能性もあるが、とりあえず公演プログラムが見つかった限りで、観劇年代順に整理しておきたい。

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 1980年東京・砂防会館ホールにて、劇団民藝公演、宇野重吉演出『わが魂は輝く水なり—源平北越流誌』。

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 1984年4月PARCO西武劇場にて、蜷川幸雄演出『タンゴ・冬の終わりに』。個人的感想ではおそらく蜷川幸雄演出の舞台作品としては、最高傑作であろう。清村盛(平幹二朗)の妻ぎん役の松本典子(✼清水邦夫令夫人)の名演技は舞台史に残る。

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▼「子どもじみた夫婦の交信らしい」と作品に説明されている、軽く手をあげて互いに瞶(みつ)めあいつつホ…と声を掛け合うところは、とくに鮮明である。妻を姉と思いこむほど狂気の世界に閉じ籠ってしまい、ぎんにも去られた盛は、彼の生地である日本海沿いの町の古びた映画館のなかでついに倒れてしまう。
 ある日、ある時……
 北国シネマ館内。旅装のぎん、現われる……
 ぎん、盛が倒れたあたりを見つめて……
ぎん:ホ…… (清水邦夫『タンゴ・冬の終わりに』講談社所収同作pp.243~244)

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 1992年12月東京両国シアターX(カイ)にて、木冬社公演、清水邦夫作・演出『冬の馬』。

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 1997年4月下北沢ザ・スズナリにて、梁山泊百八竜組提携公演、金盾進演出『楽屋』。

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 2011年にしすがも創造舎体育館特設会場にて、大規模修繕劇団旗揚げ公演、蜷川幸雄演出『血の婚礼』。むろんスペインの詩人・劇作家ガルシア・ロルカの『血の婚礼」からインスピレーションを得て創作された作品。ロルカグラナダで反乱軍に銃殺された1936年に、清水邦夫は誕生している。1987年秋新宿文化センターにて、アントニオ・ガデス舞踊団の来日公演があり、前年の来日公演で『カルメン』を観劇していたので、そのときは『血の婚礼』&『フラメンコ組曲』を観ている。このアントニオ・ガデスの『血の婚礼』の舞台のほうが印象に残っている。

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