薔薇と女優





 女優に捧げられて(ヘンリー・フォンダなど男優の場合もあるが)作出される薔薇は少なくないようだ.日本の女優では、大地真央さんに捧げられた薔薇がある。「谷津バラ園」はわが家から近いところにあるが、入園料を惜しんでここ2年は行っていない.「大地真央」は、まだたしかめていない.薔薇にふさわしい女優であることは間違いない.
 近隣を散策すると民家の庭によく見かけるのが、カクテル(cocktail)という、つる性シュラブ系の薔薇.作出は、かのフランスのメイアンで、一重の花形、花弁は5〜7枚.大輪の花の薔薇のイメージとはやや異なり、親しみやすい印象を与える.虫の駆除が面倒なのでわが家では、いまはどの薔薇も植えていない.
 さてこの薔薇は、ロミー・シュナイダー(1938〜1982)に捧げられたものだそうだ.アラン・ドロンとの恋など世紀の話題を残して、睡眠薬大量服用によって亡くなった命日(5月29日)もほど近い.この女優のファンではないので、観た映画も3本だけである。ジャック・ドレイ監督「太陽が知っている」(アラン・ドロンジェーン・バーキン共演)、オーソン・ウェルズ監督「審判(カフカ原作)」(ジャンヌ・モロー共演)、ジュールス・ダッシン監督「夏の夜の10時30分」(メリナ・メルクーリ共演)の3本.個人的には共演の女優のほうに思い入れがあるが、やはりすぐれた監督の映画に出ていたのだ.薔薇の写真を眺め、当時の映画のパンフレットを捲ってこの名女優を偲びたい.
http://www2.odn.ne.jp/~cdg68090/actress.html  エッセイ「女優について」 
 
⦅写真(解像度20%)は、Romy・Schneiderに捧げられたカクテル。東京台東区下谷神社にて、小川匡夫氏(全日写連)撮影.⦆