なるほど「多様なリズムと独自のステップ」

東京新聞」5/9紙上「時代を読む」欄で、経済学者の浜矩子同志社大学教授が書いている.欧州発の二つの事件=話題、ギリシャ財政破綻と、イギリスの総選挙の結果生じた「ハング・パーラメント(宙吊り議会)」が内外のメディアを賑わしている。二つの問題の歴史的・構造的背景は異なるにしても、グローバル化のなかでの問題であるということは共通であろう.ギリシャ支援において、各国には各国の固有の事情(自己都合)があり、一致して同じ方向で取り組めるものでもあるまい.イギリスは、伝統的な二大政党制のシステムに安住することはもはやできない.そこで浜氏は、こう述べている.
「地球時代は、地球標準への収れんの時代ではない.地球化の力学は、平準化と均一化の力学ではない.地球という舞台は、だれもが同じ曲に合わせて、同じ踊りを踊る舞台ではない.多様なリズムに合わせて、独自のステップを踏む人々の出会いとぶつかり合いの舞台なのである.今回の欧州二題が、そのことをじつによく表している.違うステップを踏みながら、地球長屋のわれわれはいかにうまく歩調を合わせて行くのか。そこにこそ、われらの知恵の見せ所がある.」
 日本が「多様なリズムと独自のステップ」で、困難な課題をむしろ「a blessing in disguise」として乗り切れれば、今日がよい歴史的転回点となろうが、さてどうだろうか。 

⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家のハゴロモ(羽衣)ジャスミンの花.小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆