栗山昌良(まさよし)演出の舞台、とりあえず坂東玉三郎主演『メディア』を

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simmel20.hatenablog.com坂東玉三郎がメディアを演じた栗山昌良演出の『メディア』は、1983年2月日生劇場にて公演。イアソン=立川光貴、クレオン=勝部演之、守役=内田稔、乳母=南美江、アイゲウス=菅原謙次。仮面製作が遠藤琢郎。公演プログラムに澁澤龍彦が寄稿している。牧羊子も「おどろきと恍惚とーメディア玉三郎丈に」と題して、同誌で書いている。

……これは遠い国の神話である。同時に現代を生きる近くの女たちのドラマでもあろう。仕事と恋のいずれを択ぶか。女は遥かな古代から、身を揉むようにして、この業にいどんできた。女は子を宿し、産むことができるためである。そういえば桜姫も身を落としたが、つまるところはお家再興——今日でなら企業の復興に尽力したわけであったし、わが子を殺(あや)める因果も似ている。
 勘弥、海老蔵、孝夫と演じてきた桜姫東文章玉三郎丈を大切に眺めている一人として、メディア玉三郎は、まさに地の果てまでも、とびつづけよ、ニューヨークでパリで、おどろきと恍惚と陶酔を謳われよ、と希っている。……▼(2019年11/2記)