たまたま東京台東区の古書店のサイトを覗いていたところ、東松照明(とうまつしょうめい)写真集『おお!新宿』(写研発行、1969年12月)の販売価格を見て驚いた。150000円と表示されている。Amazonの古書リストでは、状態にもよるのだろうが188000円〜となっていて、もっと高価である。
同リストでは、1967年に同じ写研から出ている『日本』は、これよりは低価格である。古書の対古書店売値はたしかその4分の1だったと記憶するから、けっこう高く引き取ってもらえそう。これを元手に令和最初のダービーで勝負に出るのもいいかも。
なお森山大道の『写真よさようなら』(写真評論社、1972年4月)は、Amazon古書価格では、110000円〜で、寺山修司との共著写真集『にっぽん劇場写真帖』(室町書房、1968年7月)は、古書店売り切れのようである。むろんいずれも所蔵している。
昔写真評論社社長であった吉村伸哉氏の『現代写真の名作研究』(写真評論社)では、東松照明の『日本』を批評している。
写真集『日本』は、そういうわけで、構成している各セクショが取上げている問題の重さや大きさからしても、またトータルとして、日本とはなにか、そして日本人とはなにか、という大きな問いに耐え、そしてそれに主体的に答えているということからしても、戦後日本の写真界が持つことができた最高傑作のひとつです。( p.211 )