妖花から大輪の花へ


 女優の高橋恵子さんは、昔は妖花関根恵子であった。わが所蔵の、操上和美撮影・写真集『関根恵子・PICTORIAL』(集英社:1982年)は、妖しくかつ瑞々しい肢体と若い女優の表情をよく捉えている。絶版で古書価格が高いというのも頷けることである。
 http://www.kurigami.net/#index(「操上和美:Kazumu Kurigami」)
 http://imaonline.jp/ud/photobook(「操上和美写真集一覧」)

 写真家の操上和美さんから、撮影にあたって腋毛は剃らないでと注文されたとのこと、映画『カケラ』で、主演の満島ひかり安藤モモ子監督から言われたことと重なる。当時の写真としては、大胆で衝撃的であった。美しく写真の表現としてのクオリティーは高い。記事によれば、ご本人は1冊も所蔵していないとのこと。


 映画では、詩人の金子光晴とその愛人をモデルにした『ラブレター』(東陽一監督:1981年)、『TATTOO<刺青>あり』(高橋伴明監督:1982年)は、印象深い。


 テレビドラマでは、1982年8月放送TBSの「サスペンス」ドラマ「肉体の処刑・人妻はなぜ胸に花を飾って殺される?」(久世光彦演出)が、記憶に残っている。ぜひまた観たいものであるが、無理らしい。
 こうしてみるとごく個人的見解では、1982年前後の関根恵子はまさに妖花として輝いていたのである。いまの高橋恵子は、大輪の花といえるだろう。