純喫茶・昭和の香り




 この「高級喫茶古城」は、当時の住居から近かったこともあり、よく入ったものである。一杯のブルマンブレンドのコーヒーで、本を読みながらだいぶ時を過ごした。和服のウェイトレスは美形であった。いまも残っているとは驚きである。暖かくなれば清澄白河の「ブルーボトルコーヒー」ほか探訪したいが、下町の「高級喫茶古城」もぜひ訪れてみたい。
⦅写真は、東京台東区下町民家のクロッカス。小川匡夫氏(全日写連)撮影。コンパクトデジカメ使用。⦆※わが座右のオウィディウス『転身物語』(人文書院:田中秀央・前田敬作訳)では、「…さらに、恋人のスミラクスとともに小さな花に変身したクロクス、この人たちの話もしないでおきます」(p.130)とあり、その注に「若者クロクスは、妖精スミラクスにたいする不幸な恋のためにサフランに変身し、スミラクスも水松(いちい)になった」とある。クロッカスは、春咲きサフランまたは花サフランとも呼称されて紛らわしいが、秋に咲くサフランとは植物分類上(アヤメ科クロッカス属)は近縁でも、別の花である。変身した花は、クロッカスではないか。
 http://www005.upp.so-net.ne.jp/nakky/hana/3-crocus.htm(「3月の花クロッカス」)