おやおや〈自由からの逃走〉か

 NHK・NEWSWEB2/5によれば、「日本人大学生 シリアへの渡航を計画」とある。
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150205/k10015252471000.html
   (「NHK・NEWSWEB2/5」)
 池内恵(さとし)東大准教授の「読売新聞(YOMIURI ONLINE)」2/4のインタビュー記事「若者はぜイスラム国を目指すのか」での指摘を思い起こした。おやおや〈自由からの逃走〉か。
 http://www.yomiuri.co.jp/feature/yokoku/20150203-OYT8T50221.html?page_no=3
   (「読売新聞:池内恵氏インタビュー」)
……日本でも昨年秋、北大を休学中の若者がイスラム国への参加を企てるという事件があったが、ここでも同様な心理が働いていたような気がする。かつてオウム真理教に集まった人たちもそうだったと思うが、先進自由諸国では、このようにして「自由からの逃走」に走ってしまう人がある程度出るのはどうしても避けがたい。そこは冷静に受けとめるべきではないか、という気がしている。
 ただ、ちょっと気がかりなのは、日本では、「イスラム国の伸長は欧米の側に原因がある」といった議論がしばしば見受けられることだ。例えば、一部メディアでは、西欧・米国への移民からイスラム国への参加者が出るのは「彼らが差別されたり貧困に苦しめられたりしているため」といった解説もなされているようだが、これは事実誤認だ。ヨーロッパからイスラム国入りした人々について調べてみると、その多くは欧米社会でそれなりの学歴を得た、比較的生活水準の高い層から出ている。動機としては、差別や貧困よりも、先に述べた「自由からの逃走」が圧倒的に強い。……
 フロムの著書を書庫で探したが見つからない。要約を載せているサイトがある。
 http://home.f00.itscom.net/satoshi/page023.html(「八嶋聡ホームページ:『自由からの逃走』」)
 http://manapedia.jp/text/109(「manapedia:『自由からの逃走』」)

 関連するわがブログ記事を紹介しておこう。
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20120205/1328436751
   (『またぞろ「オクシデンタリズム(西洋嫌い)」:2012年2/5』)