Merci Beaucoup Birkin!

シネマトゥデイ映画ニュース』によれば、『4/6に東日本大震災復興支援のため急遽来日した、女優・歌手のジェーン・バーキンが、現地時間の11日にフランス・パリのテアトル・ロンポワンにて開催されたチャリティーコンサート「ツナミ・エ・ドゥメ(津波と明日)」に出演した。親日家として知られるサルヴァトール・アダモや、パリを拠点とする三宅純といったアーティストも出演した同コンサートの収益はすべてフランス赤十字社を通して、寄付される予定となっている。』とのことである。Merci Beaucoup Birkin!
   http://www.cinematoday.jp/page/N0031630(『シネマトゥデイ映画ニュース』)
 ジェーン・バーキンJane Birkin)の出演した映画はいくつか観ているが、『ラ・ピラート(la pirate)』は印象的な作品。『肉体の悪魔』ですっかり魅せられてしまい、最も好きな女優の一人マルーシュカ・デートメルス(Maruschka Detmers)との共演で、これほど情熱的で激しい女性同士の愛を描いた映画をほかに知らない。
『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリ』フランス盤DVD




 2003年5/24の来日コンサートを聴いたことがある。そのときのわがHPの記事を再録しておこう。

◆昨晩(24日)は、渋谷オーチャードホールにて、ジェーン・バーキンのライブ「アラベスク」を聴いた。席は1階最後列の38列の2番で、彼女の顔などわが視力では捉えられなかったが、左耳に変調がある現在、むしろ最良の席であった。パリ郊外のアルジェリア人家庭に生まれ、アルジェリアで育った、クラシックバイオリン奏者のジャメル・ベニイェレスがアレンジを手がけた名曲集である。ピアノが、アラブ音楽を専攻したフレッド・マッジ、リュートが、アメル・リアヒ・エル・マンスリ、パーカッションがパリ在住のモロッコ人アジズ・ブーラルー。
 プロデュースしたのは、セルジュ・ゲンスブールジェーン・バーキンの音楽プロデューサー、フィリップ・リショーム。彼の発案で、ジェーン・バーキンのレパートリーが、ジャメル・ベニイェレスによって、「アラブ=アンダルシア風にアレンジ」され、「移り気で、もの悲しく、ドラマティックで軽快なアラブ音楽の色彩を帯びた」歌の世界「アラベスク」が誕生したのだ。
 今日ゲンスブールの歌「Elisa(エリザ)」、「メロディのワルツ」、「ラ・ジャヴァネーズ(ジャワの女)」をCDで聴いてみた。とくに「Elisa(エリザ)」が、大きく味付けが変わっていたこと思い起こした。「アルジェリア風であると同時にアンダルシア風、ユダヤ風、ジプシー風」というプログラムの表現は、音楽文化に疎い小生には完全にはわかりかねるが、感覚的には、ゲンスブールの歌との違いとして納得できる。この曲一曲聴けただけでも来てよかったと思えたほど感動した。舞台のどこかにゲンスブールの「エリザ」と歌う声が聞こえそうなステージであった。ジャメル・ベニイェレスのバイオリンの音は、軽快なテンポなのにほんとうにもの悲しいところがあって、痺れさせる。1991年バーキン44歳のとき、セルジュ・ゲンスブールが死去し、「歌をやめることにします。セルジュ無しでのレコーディングなんて、私には考えられない」と言って、バーキンは数年間歌うことをやめていたのだ。いま「蛹の殻を」破って「自分の羽で飛んでいる」彼女は、「セルジュ、私はいつまでもあなたの言葉を伝えてゆきたい。私に新たなチャンス、延長戦を与えてくれるように」と記している。今度は、すべて自分の歌詞のアルバムを予定しているという。素足でダンスを踊った57歳のバーキンのスレンダーな身体には、あの小悪魔の少女バーキンが間違いなく宿っていた。まだまだ進化しそうである。⦅(引用は同公演プログラムから)2003年5/25記⦆
⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町の公園に咲くチューリップの花。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆