こんな弁護士がいる

 朝の「テレビ朝日」放送で、外岡潤という若い弁護士を紹介していた。法律事務所に勤務弁護士として働いてすぐに独立、福祉・介護に特化した法律事務所「おかげさま」を東京豊島区巣鴨に開業している。奇術・日舞・腹話術などの演芸を介護施設で披露しつつ、高齢者の介護トラブルの相談・解決を弁護士として図っている。料金も低く抑えて、高齢者が依頼しやすくしている。感心させられた。足も車ではなく、バイク。庶民の生活の中に生き、フットワークも軽い。
 しかし江戸の町医者「赤ひげ」のような、ただの人情派の弁護士ではない。いっぽうで、渋谷道玄坂にリアナ代表取締役 津崎桂一氏と共同で、弁護士バー「ROPPOH=六法』を開設し、みずからバーテンダーとして立っているらしい。経営感覚があり、市場メカニズムを見据えて未来の日本の法曹を展望しているのだ。あまりの遊び心に、おそらく批判もあるのだろうが、その創造性と勇気を称えたい。雰囲気も、TVドラマ『バーテンダー』(貫地谷しほりが共演しているので毎回視聴)の嵐の相葉雅紀(佐々倉溜役)のような、ソフトなイケメンで優しい感じ。こちらも弁護士の父という立場で、いつか立ち寄りたいものだ。
    http://legalbar.net/  (弁護士バー)
    http://blog.livedoor.jp/bengoshiretsuden/archives/51050584.html (インタビュー)
    http://www.tv-asahi.co.jp/bartender/ (ドラマ「バーテンダー」)   
 外岡潤弁護士の冒険と試みは、経済学的にも現代の課題に応えているといえそうだ。池尾和人氏が「アゴラ」で論じている。
 人口動態の経済への影響に関して、「需要面と供給面を截然と二分して対立的なものとして考えるのが、常に適切であるとは思われない」としている。       
「人口が高齢化すると一人当たりの耐久消費財に対する需要は確実に減退するだろう。しかし、医療や健康関連のサービスに対する需要は確実に増大する。こうした潜在的な需要構造の変化に対して供給(産業)構造が柔軟に対応していけば、必ず需要不足になるとはいえない。逆にいうと、現下における日本のいわゆる需要不足は、供給構造が旧態依然のままであるがゆえ、といえるところがある。」
    http://agora-web.jp/archives/1267007.html (「アゴラ」池尾和人氏)
⦅写真(解像度20% )は、東京台東区下町で春を待ちきれなくなった、沈丁花の花芽。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆