法曹人の教訓


 たまたま入手した「Lawyer's MAGAZINE:7/1・22号」(C&Rリーガル・エージェンシー社)の表紙および巻頭で、弁護士の高井伸夫氏が紹介されていた。氏の個人ブログを時おり拝読しているが、この記事によって、高井氏の法曹界での評価と地位の高さが、門外漢にも少しはわかる。記事によれば、高井氏は、1937年の生まれで、名古屋弁護士会(現愛知弁護士会)会長を務めた父をもつ弁護士一家の出自であるとのこと。東大法学部卒業後弁護士活動を開始、その半世紀に及ぶキャリアにおいて「元旦の午前6時からその年の大みそかの午後10時まで、一日も休みなく働き続けてきた。2年半ほど前に耳に故障がおこるまではずっとそのペースでした」とのことである。
 
 8頁にわたる紹介記事の中で、とくに最後の、若き法曹人に示された三つの教訓に感銘を受けた。
1)法律知識だけでなく心理学によって、人の心をさまざまな角度から理解すること、理解しようとすることが大切。(※私見ではこれは、狭い意味の科学としての「心理学」に限っていないであろう。)
2)物を書く習慣を身に付けること。物を書くというのは、つまり思索するということ。“軽い弁護士”にならないために、大切。(※氏による単著・共著・監修の本は40冊とのこと。)
3)現場、現物、現実を重視するということ。コンピューターに頼りきって仕事を終えてはいけない。
 法曹人以外にも有効な生き方の心得であろう。
  http://www.law-pro.jp/weblog/(高井伸夫ブログ「無用の用」)
  http://www.law-pro.jp/(「高井・岡芹法律事務所」)
 なお高井伸夫氏のご長女小林真理子(元NHKアナウンサー:高井真理子)さまが、この9月に逝去され、生前がんで親を喪う子どもたちを支援する「AIMS」を立ち上げている(弟君の弁護士高井伸太郎氏が代表を継承)。そのメッセージには感動させられる。ご冥福を祈りたい。
  http://www.aims-japan.org/?page_id=34(「AIMS創立者メッセージ」)
⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家の、上シャコバサボテン、下まだ咲いているゲンノショウコ(現の証拠)。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆