本書は、若松英輔著『池田晶子 不滅の哲学』(トランスビュー刊 2013年)に書き下ろし「不滅の哲学」を追加したもの。
コトバは、魂にふれる。また、ときに、私たち自身よりも私たちの魂に近づくこともできる。コトバをめぐって、池田晶子はこう書いている。彼女はコトバと書くとき、片仮名で記したり、括弧に入れたりしない。池田にとって言葉は常に、コトバを意味していたからである。
死の床にある人、絶望の底にある人を救うことができるのは、医療ではなくて言葉で
ある。宗教でもなくて、言葉である。 (『あたりまえのことばかり』