キリスト者と反戦

 NHK朝の『おはよう日本』で、栃木県日光市の教会を拠点にしている、94歳のS牧師のことを紹介し、その発言「戦争にどちらが正しい、ということはない。多く人殺しをした方が勝つ、それだけのこと。戦争をやめさせることこそ重要なのだ。今回のG7の広島サミットも、兵器ビジネスの取引の場でしかなかった」と。とくにハッとさせられるような説教でもなかった。弱小の相手と(甘く)判断したウクライナに勝手に攻め込み、残虐な殺戮を繰り返しているロシアへの憤りを欠いて、戦争一般について〈賢く〉知恵を説いても感動しない。軍需産業が経済を活性化させるなどという認識も一昔前のもの。この牧師の健康長寿は言祝ぎたいが、14歳で予科練に入り16歳で敗戦を迎え、その後キリスト教信仰の道を選んで今日に至っているとのこと、まさか潜在していた〈鬼畜米英〉への憎悪が蘇ったわけでもあるまい。
 (現場に)バラモン左翼が多い印象のNHKは、キリスト者反戦について取り上げるのであれば、群馬県安中市の教会に拠って反戦活動をした柏木義円ほど知られていないが、カトリック教会の神父として戦争終結に向けて秘密裏に動き、敗戦直後憲兵に暗殺されたらしい戸田帯刀(たてわき)カトリック横浜教区長のことなど紹介したらどうか。

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