ジャンジャック・ベネックス監督『Betty Blue』

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 ジャンジャック・ベネックス監督の作品は、『ベティ・ブルー(Betty Blue)』のみDVD(米国盤・R1)で観ている。監督の訃報に接して、あらためて鑑賞。青春のエロス的暴力性と無を静かで美しい景観の中に描いて、惹き込まれた。老人作業員が吹くテナーサックスも、少年が弾くピアノの音も効果的で、心地よく響く。米国盤で、会話はフランス語、英語の字幕が出る。ストーリーを確かめておいたので、時折追いかけるように英和辞書を使い何とかたどれて鑑賞。アーサー・ペン監督の『俺たちに明日はない( BONNIE&CLYDE)』の破滅する恋人たちと違って、自傷行為による植物状態のベティを安楽死させてから、彼女に作家としての才能を発掘してもらった恋人のゾルグは、ひとり原稿用紙を前に思索をめぐらせるシーンで終わる。救いがあった。
 1/16(日)NHKプレミアムシアターで、昨年夏のザルツブルク音楽祭で話題になったらしい、テオドール・クルレンツィス指揮、ロメオ・カステルッチ演出の『ドン・ジョヴァンニ』を放送していた。深夜は健康優先のため大晦日を除いてギリギリ12:30くらいまでしか起きていないので、最後まで視聴していなかったが、ロメオ・カステルッチ演出(2018年ザルツブルク音楽祭の『サロメ』のDVDは所蔵)の過激な舞台、ドン・ジョヴァンニに誘惑される女たちが表面的には拒みながら、そこにもう一人の裸の女が傍らに現われじつは深層では激しく求めている、という設定。この裸にその度にボカシが入って幻滅。
 この映画も米国盤DVDでなければ、味わえない。といえる。

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