月命日と〈月誕生日〉

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 2月の月命日ということで、船橋中央メモリアルパークまで掃苔に出向いた。来月は桜が開花しているだろう。近くを流れる海老川沿いに桜並木があり、花見が楽しめる。天候もよく、市場通りのバス停までゆったり歩けた。
 東武地下の青葉でラーメンを食べた。魚骨の出汁がほどほどの濃さで美味しかった。

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 呉座勇一国際日本文化研究センター助教の『日本中世への招待』(朝日新聞出版)に、面白い記述がある。

 興味深いことに、足利義満が生まれたのは8月22日である(近衛道嗣の日記『愚管記』などから判明)にもかかわらず、義満は8月22日だけではなく、毎月22日に誕生会を行っている。享徳3年(1454)に関東で作成された「鎌倉年中行事』には、鎌倉公方の毎月の誕生日の行事(祈禱、酒宴など)が記されている。同史料によれば、「正誕生日」には終日酒宴が行われるという。
 つまり本当の誕生日である「正誕生日」の他に、毎月の誕生日も祝っていたのである。これは私の推測だが、命日に対応していたのではないだろうか。中世においては、祥月命日だけでなく月命日にも供養をきちんと行っている。読経や祈禱が行われる中世の誕生日会は一種の「仏事」だったのかもしれない。(pp.163~164)