森本サンゴ『噺家の女房』を読む



 同一方向を向いた投書ばかりの『東京新聞』にしては〈珍品〉ともいえる投書内容なので、この漫画家に関心をもった。さっそくAmazon経由で、『噺家の女房』(実業之日本社)を購入。
 真打ち駆出しの売れない噺家極楽亭やんまとその妻でイラストレーターの奈津を中心に、お向かいに住む師匠の名人極楽亭閻魔と元藝者のおカミさんらが絡んで、落語チックなエピソードが全11席(11話)描かれている。面白かった。第3席「花火」、第8席「とんまの女房」、第11席「貧乏神のお年玉」は、ほどよいバカバカしさと人情が伝わってきて愉悦を味わえた。NHK朝ドラの傑作『ちりとてちん』を思い起こした。

⦅写真は、東京台東区下町民家のサルビア・ガラニチカ(グアラニチカ:Salvia guaranitica)。小川匡夫氏(全日写連)撮影。コンパクトデジカメ使用。⦆