イギリス議会政治における「強行採決」

 http://diamond.jp/articles/-/78878⦅『安保反対派はデモよりも「政権交代こそ常道」を痛感せよ(上)』⦆
 http://diamond.jp/articles/-/78885(『安保反対派はデモよりも「政権交代こそ常道」を痛感せよ(下)』⦆
 筆者の上久保誠人立命館大准教授は、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了、Ph.D政治学・国際学、ウォーリック大学)とのこと。次の指摘に驚いた。
……安倍政権の安保法制を巡る「強引」とされる国会運営は、「議会制民主主義の本家本元」である英国ならば全く問題とならないものだ。英国政治の特徴は「交代可能な独裁」だ。端的に言えば、英国議会の法案審議は、党首討論など激しい論戦で知られているが、法案の与野党修正はなく、日本的な見方をすれば「すべてが強行採決」なのである。
 英国では、首相や財務相など政治指導者には、日本以上に広範な権限が与えられている。指導者の決断が発表されるまで、基本的にすべて「密室」で非公開に進められる。各省庁間や政治家間の調整があっても、それは一切外部からわからない仕組みになっている。例えば、英国の予算審議は、毎年3月に財務相から予算案が発表されることから始まる。だが、それまでの予算案編成過程は「密室」で、外部からはわからない。発表後も出てこない。そして、予算案は議会で審議されるが、審議時間は日本の10分の1程度だ(第5回)。……
 しかし日本では、「交代可能な独裁」にはならないところが問題だろう。与党自民党に対抗できる「政権交代可能な」野党が存在しないからである。
 http://agora-web.jp/archives/1655576.html(「池田信夫:野党はなぜいつまでもダメなのか」)

⦅写真は、東京台東区下町民家の金木犀。小川匡夫氏(全日写連)撮影。コンパクトデジカメ使用。⦆