早春の黄色い花々

 今は園芸種として育てられた草木が多いので、判別しにくい環境になっているとはいえ、早春には黄色い花々が多く観察される。この生態学的原因について調べると、面白い説明を得ることができた。ミツバチとの相互作用的関係で解明できそうである。むろん仮説にすぎないだろう。
 ミツバチは越冬するハチで、働きバチはすでに2月ごろから花の蜜の採取に動き始めるのである。ところで、ミツバチの色覚では、青緑・青は青緑・青として、橙・黄色・黄緑は黄色として、青・紫は青としてそれぞれ識別され、そして紫外線が見える。赤は赤としては識別されないらしい。葉や茎は紫外線を吸収しないが、花は吸収するので、花のありかはミツバチに探知できるわけである。それがとくに花弁が黄色であれば、なお見つけやすいということになる。ミツバチの「花粉宅急便」を依頼する花の側では、紫外線吸収の蜜標(ハニーガイド)のポイントまで誘導するために、黄色を選んだのであろうか。さて暖かくなれば、赤も赤として識別できる蝶たちが登場、さらに白い花が好きで、白を識別するらしい甲虫たちも花畑には参加してくる。百花繚乱の季節となる。…ということなのだろうか。それに、色の識別以外に花の香りも大きく関係しているはずである。
(ミツバチの色覚領域)
(チョウの色覚領域)
【図表の出典】
 http://www5e.biglobe.ne.jp/~t-hys/chapter-8.html#section3(「昆虫の色彩感覚:色彩の認識」) 
【参考】
 http://fushigi.fujitvkidsclub.jp/2008/04/post_13.html(「タンポポの不思議:ふしぎな森のふしぎ先生」)
 http://www.beekeeping.or.jp/honeybee/biology(「ミツバチの生態:日本養蜂協会」)
 http://bigpapa.sakura.ne.jp/a/iro.htm(「ミツバチが見える色理論」)
 http://www5e.biglobe.ne.jp/~t-hys/chapter-8.html#section3(「昆虫の色彩感覚:色彩の認識」)




⦅写真は、東京台東区下町に咲く、水仙、連翹、マリーゴールド。小川匡夫氏(全日写連)撮影。コンパクトデジカメ使用。⦆