フランソワ・トリュフォー監督没後30年


 今年は、フランソワ・トリュフォー監督(仏)没後30年(1984年10/21没)にあたり、本日が祥月命日である。昔、映画作りにおけるヌーヴェルヴァーグの潮流が盛んとなり、日本でもその代表の一人としてフランソワ・トリュフォー監督の作品は注目された。映画館で観たのは、『ピアニストを撃て』(銀座アートシアター)、『突然炎のごとく』(銀座みゆき座)、『柔らかい肌』(銀座みゆき座)、『アデルの恋の物語』(銀座みゆき座)。このなかでは、イザベル・アジャーニISABELLE ADJANI)主演の『アデルの恋の物語』が最も印象に残っている。アジャーニの恋の情念に狂った瞳には酔わされた思い出がある。それ以来この女優主演の作品はよく観ているのである。



 『ピアニストを撃て』上映パンフレットに、「フランソワ・トリュフォー氏に訊く」というインタビュー記事があり、ヌーヴェル・ヴァーグについて語っている。映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」で、162人のヌーヴェル・ヴァーグ監督の名前が掲載されていることを問われて、
トリュフォー:沢山いても、本当に面白い作品を作るのはその10%の16人位だと思います。❮ヌーヴェル・ヴァーグ❯という言葉は大して重要な意味をもっていないのです。いわば、30才以前に映画を作ったという新人監督を総称したにすぎないのです。……(同誌p.11)
 結局残るのは作品であって思潮ではないということを、この監督は見抜いていたのである。




 http://www.cinema-st.com/road/r018.html(銀座みゆき座」)

 http://mermaidfilms.co.jp/truffaut30/(「没後30年:フランソワ・トリュフォー映画祭」)