首藤康之のダンスを楽しむ

 
 昨日7/4(木)は、池袋の東京芸術劇場プレイハウスにて、小野寺修二作・演出のフィジカルシアター『シレンシオ』を観た。シレンシオ=silenzioとは、イタリア語で「沈黙・静寂」を意味するそうである。台詞はなく、音楽とダンスのみで舞台は構成されていた。作者・演出家にははっきりしたplotがあるのだろうが、観客には、あまり関係のない小さなエピソードが次々演じられる展開として映った。元東京バレエ団首藤康之と、女優の原田知世を中心に、小野寺修二を含め4人のダンサーが加わっている。
 コミカルな場面とシュールな場面とあって、それなりに変化があったが、途中少し眠くなる時間もあった。最後のエピソードで、男(首藤)が女(原田)に意を決して花束を贈り、男がダンスを踊るところは愉悦を感じた。2005年10月30日(日)、ゆうぽうと簡易保険ホールモーリス・ベジャール振付の東京バレエ団公演『M』を観たときは、首藤康之小林十市とともに振付指導という立場で関わっていたが、むろん舞台には立っていない。今回はじめてソロの踊りを観た。

 原田知世の女は、だいたいバッグを腕に掛けて登場、演出家はこの女にどういうイメージを与えようとしたのか考えているうちに終演してしまった。短い1時間20分ではあった。
【TGIF!】

⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家の産卵中のアゲハ。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆