二月尽、小満ん・喬太郎を聴く

 
 昨日2/29(水)は、東京銀座ブロッサム中央会館にて、「小満ん・喬太郎の会」を聴いた。落語研究会の月例鑑賞会で、参加は9名。番組は、前座:柳亭市也=元犬、1席:柳家小満ん=雪とん、2席:柳家喬太郎=竹の水仙、仲入り後、3席:柳家喬太郎=(創作)ホワイトデー、4席:柳家小満ん=素人鰻。
 小満ん師匠の「雪とん」は、朝からの雪降りを意識した演目だろう。風采ぱっとしない恋煩いの田舎の若旦那と、イケメンのお祭り佐七が手違いで入れ替わって、佐七が大店の糸屋のお嬢様と一夜を過ごすことになる噺。清楚なはずの糸屋の娘の大胆さと巧みさを強調して、可笑しかった。
http://ginjo.fc2web.com/024siroutounagi/siroutounagi.htm(「落語の舞台を歩く」)
「素人鰻」は、明治はじめのころのいわゆる士族の商法を嘲笑した噺。士族の主が鰻割き職人の金の助けを借りて鰻屋を開業するが、この金という男は鰻割きはみごとでも、酒乱の性癖、たまたま呑ませてしまうとけっきょく店を出て行ってしまう。しかたなく主人が鰻を捌こうとするが、鰻は外に逃げてしまう。泣き上戸・笑い上戸・怒り上戸の金の呑みっぷりのところが見せ場。この職人がいたという、神田明神下の鰻屋神田川本店」に出かけてみたくなった。
 柳家喬太郎師匠の「竹の水仙」。左甚五郎もの。昨年12月に聴いた柳家花禄師匠の場合と同じ噺でも違う。花禄師匠は、目利きの毛利の殿様と家来との、甚五郎作竹細工をめぐる評価の落差を強調し、喬太郎師匠は、宿屋主人がお手打ちに怯えるところを繰り返していた。柳家花禄のほうが面白かった。創作落語は、噺に無理がありすぎ、部分的には笑わせるが、凡庸。
 終演後、中華料理店で批評会&親睦会。参加は8名。最後に出てきた四川風担々麺は辛すぎて、喉の弱いこちらには食べるのに難儀であった。
⦅写真(解像度20%)は、東京台東区下町民家の白木瓜2。小川匡夫氏(全日写連)撮影。⦆