プッチーニ作曲『トスカ』観劇(新国立劇場オペラパレス)

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 1/25(月)午後2時開演、東京初台駅下車の新国立劇場オペラパレス(1F8列31席)にて、プッチーニ作曲、ダニエル・カッレガーリ指揮・東京交響楽団、アントネッロ・マダウ=ディアツ演出(田口道子再演演出)の『トスカ』を観劇した。プッチーニのオペラ作品で生の舞台を鑑賞したのは、『トゥーランドット』(1986年9/15 英国ロイヤルオペラ来日公演)、『蝶々夫人』(2019年10/4 東京二期会オペラ劇場)につづいて3作目。今回の舞台は、フランス古典演劇の三一致の法則に準じて、時(1800年6/17午前〜6/18夜明け)、場所(ローマ:聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会・ファルネーゼ宮殿のスカルピアの執務室・聖アンジェロ城の屋上)、事件(脱獄囚をめぐるトスカ・カヴァラドッシ・スカルピア3人の関係と行動が3人の死を招く)が単一で無駄がなく、その劇展開に緊張感を保ったまま鑑賞できた。
 第2幕のトスカ(キアーラ・イゾットン:ソプラノ)が切々と歌うアリア「歌に生き、愛に生き」では、とうぜんのように感動。1800年6/14「マレンゴの戦い」で、ローマ教皇(ピウス6世)を支持するオーストリア軍が、ローマ共和国の維持を図ろうとするナポレオン軍を撃破したとの誤報が、ローマに届き、戦勝祝いの儀式が聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会で催される。第1幕最後、トスカを奸計でわが物としようする警視総監スカルピアの悪意と交差しつつ聖歌「テ・デウム(Te Deum)」が合唱される。この場面は邪悪を隠しながら荘厳で華麗、酔わされた。
 第3幕で、スカルピアが生前「カヴァラドッシの処刑は見せかけだけで殺さない」とのトスカの前で出した命令は虚偽で、恋人で共和主義者の画家カヴァラドッシは、大天使ミカエルの像が建つ聖アンジェロ城の屋上で銃殺隊によって処刑されてしまう。スカルピア殺害の下手人としてトスカに追っ手が迫るや、屋上からトスカは身を投げて自害、ここで幕が降りる。プログラム加藤浩子解説によれば、実際のアンジェロ城は屋上から回廊が巡らされていて、落下中どこかに引っかかる可能性があり自殺は難しいのだそうである。実証派のプッチーニにしては「唯一の欠点?と言ったらいいだろうか」。また敬虔なカトリック信者であるはずのトスカが、禁を犯して自殺するだろうか?という疑問も残る。処刑前夜牢獄で歌う、カヴァラドッシ(フランチェスコ・メーリ:テノール)のアリア「星は光りぬ」は哀しく美しい。Go To イベント政策のおかげでオペラの愉悦を満喫できた、感謝。

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