花まつりの花御堂(はなみどう)

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 今日4/8は、花まつり仏生会の日である。釈迦の誕生を祝う仏生会の仏事は、日本書紀推古天皇14(606)年の条にすでに記述があるとのことである。中世においても各寺院で催され、「釈迦が無憂樹の花の下で生まれたとの伝説」に基づいて、花で飾った小堂=花御堂を作っている。呉座勇一国際日本文化研究センター助教の『日本中世への招待』(朝日新書)第二部「中世の花まつり」のところが面白い。

 これまたおなじみ、南北朝時代の禅僧、義堂周信は、ある年の仏生会に際して弟子たちに雷を落としている。彼らは華麗な花御堂をこしらえようと山野に分け入り、美しい草花を採集し、技巧をこらして飾り立てた。そこまでなら良かったのだが、彼らはいくつかのグループに分かれて各々が花御堂を作ったので、装飾の優劣をめぐって口論になり、ケンカに発展したのである。義堂は「僧侶が仏道修行を怠り、花飾りにうつつを抜かすなど本末転倒である」と怒り、翌年の仏生会では花御堂を外注した(『空華日用工夫略集』)。
 商業施設などで豪華な飾りつけのクリスマスツリーを見かけるたびに、日本人は変わらないなあ、と私は感じるのである。(p.206)