いよいよ時政(坂東彌十郎)退場か

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 中世史家呉座勇一氏の『頼朝と義時ー武家政権の誕生』(講談社現代新書)によれば、北条時政が「執権」職にあったのか、文献的には疑わしいとのことである。なるほど、意外とその権力基盤は脆弱であったのか。

 一般に時政は、鎌倉幕府の初代執権に就任したとされる。よく知られているように、時政以降、歴代の北条氏当主は執権に就任するが、同時代史料で時政を「執権」と表現したものはない。この時点で「執権」という幕府の役職が成立していたとは考えられない。義時ですら、執権に就任したかどうかについては議論がある。
 そもそも時政の権限と、泰時(義時長男)以降の執権の権限は異なる。泰時以降の執権は、将軍を補佐する常設の役職だが、時政は幼少の実朝の権限を代行しているにすぎない。鎌倉殿の代理だから、その権限は絶大であるが、実朝が成長すれば返さなくてはならない一時的な権限である。
 この時期は時政だけでなく、大江広元も政所別当であった。時政が従五位下に対し広元は正五位下であり、位階は広元の方が上であった。幕府の役職だけで見れば、時政の地位は御家人筆頭とは言えない。時政が幕政を領導できたのは、もっぱら実朝の外祖父・後見人という立場によるものだった。その地位とて、頼朝後家にして実朝生母たる政子と決定的に対立すれば、雲散霧消しかねない。時政の権力基盤は、実は不安定なものだったのである。(pp.231〜232)

 さて北条時政坂東彌十郎)&牧の方(宮沢りえ)が牧氏事件で失脚、退場した後、『鎌倉殿の13人』のクレジットタイトルの「トメ」は、宮沢りえから誰になるのだろうか?

 まさかの『シン・ウルトラマン』のメフィラス外星人とは。そういえばナレーションは、長澤まさみだ。