〈反抗期〉の日本

 本日のFacebookに、現在中東某所に滞在中との池内恵(さとし)氏の投稿が載っていた。なるほどイエメンでの政変について、あまりことの重要性を認識できなかった。テレビのレギュラーコメンテーターの発言など聞き流しているが、中東情勢に関しては池内恵氏のほか、高橋和男氏、吉岡明子氏、田中浩一郎氏、宮家邦彦氏らの分析・解説には信頼を置いている。「餅は餅屋」、世界情勢を考えようとするときこのことばを思い起こしたいものである。
……そもそもイエメンの移行期プロセスの後ろ盾だったサウジでの国王死去・新国王就任と新体制設立の隙間を縫ってイエメンでフーシー派が大統領宮殿制圧、憲法宣言発出を行っていった形跡がある。サウジの内憂と裏庭のイエメンの外患は連動している。そして、サウジが揺らげば、中東の混乱は極まる。
 人質事件の際にメディアに朝から晩まで引っ張り出されていたまともなコメンテーターは、本来はこれらを分析していなければいけない人たちだった。日本では専門家の層が薄いので、この人たちが観察・分析していなければ、あとは外務省の担当官ぐらいしか見ている人はいない。企業で見ている人はいると思うが、どうしても限界がある。
 日本の「消費者」が声を大きくして「知りたいことを教えろ」と言っていると、肝心な必要なことがおろそかになる。日本は情報分析にお金をかけていない。安上がり国家だ。これまではアメリカに教えてもらって事なきを得てきた。しかしアメリカは以前のようには全面的に責任を負ってくれない。自分で調べろ、と言われる。そういう時代だ。何でもかんでもアメリカに結びつけて「アメリカが悪い」と言っていればすんだ時代は、アメリカが全部やってくれていた時代である。親や先生に楯突いて自己を確認する子供のようなものだった。そろそろそういう頭から脱しなければならない。……(Facebook池内恵氏)