「プロメテウスの罠」が日本新聞協会賞を受賞した時の失望感がわかるだろうか。福島市に住んでいる私が、60年以上とっていた朝日新聞の購読をやめたのは「プロメテウスの罠」の狡猾な印象操作にがまんできなかったからだ。問題は、朝日新聞にだけあるのではない。「プロメテウスの罠」の検証希望。
— あふらん (@pinwheel007) 2014, 9月 11
「プロメテウスの罠」が新聞協会賞になる前の話。私は「罠」チームの記者に、「町田市の子どもが鼻血が止まらないなどという話をなぜ被ばくと関係あるかのように書くのですか」と問うたのに対し、その記者は「子どもの鼻血が止まらないと言っている女性がいるのは事実であり、それを報じた」。
— 斗ヶ沢秀俊 (@hidetoga) 2014, 9月 17
http://www.gepr.org/ja/contents/20140901-01/(『越智小枝「福島浜通りの現状:敵は放射線ではない」』)
ダニエル・J.ブーアスティン(Daniel J. Boorstin)のメディア論の古典『幻影の時代』(星野郁美・後藤和彦訳:東京創元社)の「疑似イベント」の言葉を、改めて思い起こさせる。
……合成的な新奇な出来事(イベント)がわれわれの経験には充満しているが、私はそれを「疑似イベントpseudo-events」と呼ぶことにする。このpseudoという接頭語は、「偽物の」あるいは「人をあざむくための」という意味のギリシャ語から来たものである。……(同書pp.17~18)
……出来事を報道し、複製するこのような新しい技術が発達した結果、新聞記者は出来事の起こる以前に、起りそうなイメジ(※訳者は、ブーアスティンの用例に即してあえてイメジと訳す)を描き、報道を準備しておくという誘惑に落ち入った(※陥った)。人間はしばしば自分の技術を必需品と感違い(※勘違い)するようになった。読者や観客は、報道の自然さよりも、物語の迫真性や写真の〈本当らしさ〉を好むようになった。……(同書p.22)
幻影(イメジ)の時代―マスコミが製造する事実 (現代社会科学叢書)
- 作者: D.J.ブーアスティン,星野郁美,後藤和彦
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1964/10/02
- メディア: 単行本
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