アルベール・カミュ生誕100年記念


 昨年は、アルベール・カミュ生誕100年にあたったそうである。生没年代は、1913年11/7〜1960年1/4なので、なるほど今年は生誕101年になる。そして本日が命日である。この度東京演劇集団・風が『異邦人』を舞台化するとのこと、命日の本日チケットを予約した。奇しくも、その論敵J.P.サルトルの戯曲『アルトナの幽閉者』が新国立劇場小劇場にて、上村聡史演出で上演される。このチケットもすでに予約済みである。昔の思想的熱気の一端を思い出せそうで、愉しみではある。
(「演出家インタビュー」)
 カミュのことでは、若いころ旅したコリントス遺跡に聳え立つアクロコリントスの風景を思い浮かべる。前にもブログでとり上げた、川島重成ICU名誉教授著『ギリシア旅行案内』(岩波書店)の「アクロコリントス」のところを捲ってみた。

……麓からアクロコリントスの偉容を仰ぐとき、いつも想起させられるのは、コリントスの始祖とも言われるシシュフォスの伝説である。カミュの有名な『シシュフォスの神話』で人間実存の深刻な姿を表わすものとして語り直され、新しい息吹を吹き込まれて現代に甦った。元のギリシア神話によれば、シシュフォスは人類の中でも最も狡猾な人で—その消息を伝えるいくつもの話形があるが、いずれにせよ—冥界で、山の上まで岩を持ち上げる罰を科せられているという。その岩は頂上に達した瞬間に転がり落ちるので、未来永劫、彼はこの同じ仕事に従事させられているわけだ。この伝説の山にはアクロコリントスのイメージが反映していると思われる。しかしカミュ実存主義的解釈を蔑(なみ)するつもりはないが、無意味な繰り返しの業に倦み疲れたシシュフォスも、アクロコリントスの頂上に到達するとき、あの晴れ晴れとした景観に見とれて、一瞬感動することもあるのではないか。……(同書pp.167~168)
 http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20100517/1274087611(「思い出のアクロコリントス」)