この事件を映画化した、アーサー・ペン監督『俺たちに明日はない(BONNIE AND CLYDE)』は、エイブラハム・ポロンスキー監督『夕陽に向かって走れ(“TELL THEM WILLIE BOY IS HERE”)』とともに、青春の暴走と破滅を若い男女の逃避行の物語で描いていて、感動した記憶がある。
『輪舞』(審美社)の文藝評論家澤田繁晴氏は、『雲』(龍書房)2009年5月号巻末で、書いている。
……結果的にだが、私の映画の見納めになった頃の映画に「俺たちに明日はない」がある。この作品は、誇張ではなく、私が見た数多くの映画の中での最高傑作と思われるもので、実在の人物をモデルにしたという原題「ボニー アンド クライド」を私はある程度の期間口の中で呟いていた。若い男女がやりたい放題のことをして、最後は蜂の巣のような体になって死ぬ話である。他には何もない。……
なお、ウイリアム・タネン監督の『ジャック・ザ・リッパー(JACK THE RIPPER)』には、『俺たちに明日はない』でボニーを演じたフェイ・ダナウェイ(FAYE DUNAWAY)が、猟奇事件の真相を追う敏腕の女性記者役で出ている。
http://d.hatena.ne.jp/simmel20/20100528/1275029968(「現代のJACK THE RIPPER」)
- 作者: 澤田繁晴
- 出版社/メーカー: 審美社
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る