ランゲ・ネッビオーロでアオヤギのマリアージュとは

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 昨夕は、イタリアの赤ワイン、ドンナ・ネーラ(三姉妹)のランゲ・ネッビオーロを呑んだ。マリアージュはパルコ地下魚力で購入のアオヤギ(刺身)、というミスマッチの組み合わせ。本来は、肉類の料理・仔牛やジビエのロースト・チーズに合う赤ワインとのこと。舌がいいかげんなので個人的には満足できた。
 冷蔵庫にスペイン産のサラミ、エスプーニャ社のロンガニーザ・トラディショナルがあるので、今夜はこれとのマリアージュで呑んでみる。

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http://www.memos.co.jp/vini/tredonne/tredonne.pdf

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3色ペンタスの苗を買う

f:id:simmel20:20200629230340j:plainペンタスというよりピント外す

 パルコ地下での買い物のついでに、前からほしかったペンタスの苗を買って来た。3色である。空いている鉢はたくさんあるので一つにまとめて植えたい。元々玄関先に白のペンタスの鉢があった。日光、そして暑さにも湿度にも強い花なので横着者には適していよう。明日植えて、近く液体肥料を購入したい。

花田清輝の「スカラベ・サクレ」

 

 

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 さっそく『大衆のエネルギー』(講談社 1957年初版)収録の「スカラベサクレ」を読む。昔読んでいるはずなのだ。早くも早期認知症に罹患しているのか、博覧強記とおちょくりのいかにも花田清輝の文章であるが、議論の展開に記憶が蘇ることがない。とにかく初めて出会った論旨という感じ。
「山のいただきに押しあげるや否や、地ひびきをたてて転がり落ちてくる、大きな石塊」を、また「はてのない労働に取り掛かろうと山をおりてくる」、カミュがその「意識の時間」に関心を抱いたシジフォスと、ひたすら糞の玉を転がし勾配を転げ落ちながらも登っていく「スカラベサクレ(神聖な甲虫)」と呼ばれる糞虫とを同類としている。しかしシジフォスにはあった「意識の時間」が糞虫にはない、だから同じひたすら繰り返す労働でも、シジフォスの場合は悲劇的、糞虫の場合は喜劇的であるとしている。😀😀
 さて一方、シェイクスピア作品における道化についての三つの型を採り上げ、その創作活動で独特のニヒリズムを展開させている戯作者精神の作家の系列、永井荷風石川淳坂口安吾の作品世界と照応させている。ビターフール(辛辣な道化)・スライフール(悪賢い道化)・ドライフール(愚鈍な道化)の三つである。中橋一夫の「道化の宿命」によれば、
1:愚鈍な道化=つねに人びとの笑いに身をさらしているほんものの阿呆。
2:悪賢い道化=一見、馬鹿のようにみえながら、じつは腹のなかで人びとをせせら笑っている偽阿呆。
3:辛辣な道化=ふれるものことごとくを笑殺する、いささか凄みを帯びた道化。
「ともすれば反俗の旗幟を高く掲げたがる」荷風が3で、「じつは反俗以外のなにものでもない」淳が2、「通俗一本槍の」安吾が1の道化に当たり、「道化の進化」が1→2→3へ移行することが「道化の進化」であるとの中橋説に対して、案外逆のコースを辿ってきたのではないかと花田は述べる。戯作者の道化性とは韜晦であり、じつは、3の荷風が「愚鈍」、2の淳が「悪賢く」、1の安吾が「最も辛辣」だということは「自明の事実ではあるまいか」としている。
 花田清輝が、「みずからの矮小な価値判断に恋恋として」いる永井荷風、「シジフォスであるかとおもえば、スカラベサクレであり、スカラベサクレであるかとおもえば、シジフォスであるような人物」つまり「悪賢い道化」である石川淳よりも、時代状況の要求する抵抗の形として、坂口安吾をより評価している印象である。むろん個々の作品の優劣を論じている場面ではない。

 そこへいくと、坂口安吾は、たぶん、石川淳よりも、さらにいっそう反動的な、——さらにいっそう生きがたい時代を生きなければならなかったためであろう。荷風と同様——いや、荷風よりも、はるかに決然と、みずからの価値判断を放擲し、積極的に無価値の世界を生きることをもって、おのれの念願としているようにみえる。したがって、かれは、荷風とは反対に、自分の芸術の品位を江戸戯作者のなした程度まで引き上げたいとおもっているかもしれないのだ。すくなくともかれは、みたところ、シジフォスのようにではなく、スカラベサクレのように、通人のようにではなく、幇間のように、辛辣な道化や悪賢い道化のようにではなく、愚鈍な道化のように、嬉々として、無価値の世界の中で、たわむれているかのようだ。(p.155) 

 

simmel20.hatenablog.com

動物たちは面白い

 

 

 

 

丘浅次郎『進化論講話』(有精堂)における優勝劣敗(適者生存)論

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 丘浅次郎の『進化論講話』第1版が発刊されたのは、1904(明治37)年日露戦争勃発の年である。いま手元にあるのは、有精堂1967年発行のもので、同社刊行の丘浅次郎著作集全3巻も所蔵している。
 丘浅次郎は、進化論について、進化の事実とその原因の説明とを混同してはいけないと注意を促し、進化論とは、「動物・植物ともに何の種類でも長い年月の間には次第に変化するものである、しかしていかなる点がいかなる方向に向かって変化するかは、その時時の事情で定まることで、最初より確定してはいないから、たとえ同一の先祖から生じた子孫でも、長い年月相異なった方向に向かって変化すれば、次第次第に相遠ざかり終には全く相異なった数種に分かれてしまうものであるという説に過ぎぬ。これだけは生物界に実際現われている事実であるから」、「これについて反対の考えを持っている生物学者はもはや一人もいない」。
 その進化の事実について「適当な説明」を与え、その起こる原因を示して、「進化論の基」を定めたダーウィンの説明を紹介し、かつ進化の事実を証明したいというのが本書の意図である。第8章・1にダーウィンの「自然淘汰説」の柱となる「優勝劣敗(適者生存)」についての解説がある。これを読めば、「適者生存」とは生き延びたものが即ち優れたもの、の意味ではないことがわかるのである。

 優った者が勝ち劣った者が敗れるのはわかりきったことで、別に説明にもおよばぬようであるが、生存競争という自然界の現象を論ずるに当たっては、普通に用いるよりは大いに意義を広めて無意識競争までも含ませなければならぬように、優勝劣敗というても、われわれが優者と見なす者がいつも必ず勝ち、劣者と見なす者がいつも必ず敗れるとは限らぬ。ただその場合において生存に適する者が生存するという広い意味であるから、われわれが常に劣者と見なしている者がかえって生き残るような場合があっても、これは決して優勝劣敗以外の現象ではない。かつて磐梯山の破裂したとき、達者な者は驚いて一番に家から飛び出して負傷したり死んだりしたが、腰の立たぬ人等は逃げ出すことの出来なかったためにかえって助かった。 これを見てある人は劣勝優敗だなどと論じたこともあるが、かかる際には腰の立たぬ方が適者で、達者な方が不適者である。かようなことが自然界には往々あるゆえ、優勝劣敗というよりはむしろスペンサーの用い始めた適者生存という文字を取った方が、誤解せられるおそれがなくて穏当であるかも知れぬ。生物界において優勝劣敗というのは、いつでもただ適者が生存するという意味であるが、この意味にとればいつどこで用いても決して例外のあるべき理屈はない。(p.97)

 

bunshun.jp

 

https://www.hbesj.org/wp/wp-content/uploads/2020/06/HBES-J_announcement_20200627.pdf

 

 

f:id:simmel20:20200623163110j:plainわが所蔵の『丘浅次郎著作集全3巻』

 

『芸術は、自粛できないー舞台交響曲』

 

ダートでも3歳怪物出現:「ユニコーンステークス」万馬券決着

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 6/21(日)東京競馬場11R「ユニコーンステークス」1600Mでは、16=カフェファラオ(D.レーン)が圧勝、芝のデアリングタクト(牝馬2冠)、コントレイル(牡馬2冠)とともに3歳馬の怪物と言えるだろう。

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 馬券的には、2着は3番人気の1=デュードヴァン(M.デムーロ)で順当としても、3着に11番人気の6=ケンシンコウ(酒井学)が来て、3連複的中配当14,320円、3連単的中配当36,360円の万馬券決着となった。
 こちらは、3連複馬券を各100円5点、3連単馬券を各200円6点購入、どちらも16-1-6を投票していたので、計87,040円を得ることができた。これで今年の中央競馬5度目の万馬券獲得、嬉しい限り。いつもは、ネットの何人かの信頼しているプロの予想を参考にして総合的に判断するのだが、今回はある一つの予想の説得力に賭けて、再構成せずに投票し成功。✻この予想家のブログを覗いたところ、◎16(1着) ⃝13(13着)にこだわり、16-1-6の馬券は投票していなかったので、不的中だったとのこと。恐縮してしまう。
   昨日は宅配弁当お休みの日ということもあり、お祝いにパルコ地下の魚力で国産鰻の蒲焼きを購入、ぬるま湯で洗って電子レンジで温め鰻丼を作って食べたのであった。

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待てばカイロの勝利あり(✻Twitter上にあるのも拙作)

 

 

 

 

news.yahoo.co.jp

現代の「奇妙な果実(Strange Fruit)」

 

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白人警官対黒人男性:こういう事例もある

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