市川染五郎時代の『ラ・マンチャの男』を観劇している

  ミュージカル『ラ・マンチャの男(Man of La Mancha)』は、初演(1969年 帝国劇場にて)から10年後の1979(昭和54)年 11月、帝国劇場にて、市川染五郎時代の舞台を観ている。スペインのセビリアで、教会冒瀆の罪で地下牢に放り込まれた囚人セルバンテスが、牢名主を前にして、ラ・マンチャ(語源は、「乾いた土地」を意味するアラビア語)地方に住む田舎郷士アロンソ・キハーノ(人呼んでドン・キホーテ)がすべての悪を滅ぼすために世界に旅たった物語を(自分と囚人らを役者として使い)演出することによって、みずからの申し開きを試みる、劇中劇の構成と展開の舞台。上演が永く続いたものだ、感心する。