「ヴェッセリーナ・カサロヴァ メゾソプラノ・リサイタル」(9/10 サントリーホール)を聴く

   9/10(土)、ブルガリアの至宝、ヴェッセリーナ・カサロヴァメゾソプラノ・リサイタル(ピアノ:チャールズ・スペンサー)を、サントリーホール・大ホールで聴いた。いまブルガリアで次世代のオペラ歌手育成に尽力しているとのヴェッセリーナ・カサロヴァであるが、さすがに世界の超一流、声はまったく衰えを感じさせず美しく、まるでソプラノのような高い音域まで歌って、驚嘆かつ酔わされた。プログラム中、カミーユ・サン=サーンス作曲『サムソンとデリラ』より「あなたの声に私の心は開く」の歌唱にとくに感動した。終演後、ある女性観客が連れの人に「何だかわからないのに涙が止まらなくなって……」と話しかけていたが、同じ感想を抱いた。ホンモノ中のホンモノに出会う悦びであった。