NHK『小さな旅』「湖に光さして~群馬県八ッ場ダム~」

 NHKの放送では、(高給取りの世田谷自然左翼が企画するのだろう)「戦争」とか「環境と地球温暖化」とか「ジェンダー&多様性」とか扱った報道特集的な番組は、もううんざりでどれも視聴する気が起きないが、毎日曜日朝の『小さな旅』は目覚まし時計の役割で観ることが多い。毎金曜日夜の『ドキュメント72時間』と並んでさすがNHKの良質の番組である。日曜日はこの後、Eテレに切り替えて『京も一日陽だまり屋』、そして『趣味の園芸』をなんとなく観て起床し、朝食を食べながら『日曜美術館』を視聴。
 昨日12/5(日)の『小さな旅』は群馬県八ッ場ダムを取り上げていた。かつてダムに沈んだ村で生活していた、カヌー教室を営む男性、子供たちに在りし日の村の生活と自然を伝え残そうと努力していた。娘さんとカヌーでたどり着いた湖の奥に滝が流れ、新しく美しい風景を形成していた。また辺りでうどん屋を始めた老夫婦。近隣からたしかな思い出を求めて客が訪れる。感動した。八ッ場ダム建設をめぐっては、いろいろな立場が交錯したが、建設は水資源確保のためにやはり必要であったし、正しい決断であったと思う。しかし、故郷そのものを風景に刻印された記憶とともに湖の底に沈められた人びとの無念の思いと哀しみを、こうして淡々と伝えてくれるのはいい。

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