アントニオ・ガデス没後15年

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 アントニオ・ガデスが亡くなって今日の命日で15年(2004年7/20没)になる。アントニオ・ガデス舞踊団の来日公演は、1986年5月『カルメン』、1987年12月『血の婚礼』と二つの代表作を、ともに新宿文化センター大ホールにて観ている。その迸る情熱のフラメンコ劇の激しさと美しさに圧倒された記憶がある。

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 亡き文化人類学山口昌男アントニオ・ガデスの対談(1986年2月)の一部が、『「血の婚礼」から「カルメン」まで』と題して、『カルメン』来日公演プログラムに掲載されている。

山口:……ところで、このところ、あなたの舞台をはじめとして数多くの「カルメン」が舞台化、映画化されてますね。尤も、オペラ「カルメン」は昔から、最も人気の高い作品の一つでしたが…。

ガデス:そうですね。ピーター・ブルックゴダールフランチェスコ・ロージなどのものですね。

山口:あなたの「カルメン」の特徴は民俗的な根に舞台世界が再び達しようとしているところだと思います。

ガデス:カルロス(サウラ)との最初の映画「血の婚礼」もそうだったと思います。私は、我々の映画化の形式についての考え方は正しかったのではないかと考えています。ふつう、バレエ映画と云えば、舞台の前にカメラを据えるだけで作られてしまいます。決して、好奇心に満ちた観客の眼のようにカメラを使うことはありませんが、我々はそれをやったのです。我々の試みのあとで、多くの映画が似た技術を使って作られました。

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